ここからトップページから現在のページまでのパスを示したリストが始まります

ここから本文が始まります

【元気な暮らし】ふつうに食べているはずなのに、太るのはなぜ?

自分はふつうに食べているのに、なぜか痩せない、と太ってしまう理由がわからずに困ってはいませんか? そこには、食事や栄養のプロである管理栄養士でないと気づかない落とし穴が隠されていたのです。原因がわかればこころとともに、体もスッキリしてくるでしょう。

太るには訳がある

「食べていないのに太る」ということはありません。消費量を超えてカロリーを摂取しているから太るのです。「ふつうに食べている」つもりになっているだけで、やはり余分なカロリーを摂っていたことに気づきましょう。

1.カロリーだけに目を奪われない
2.調味料のカロリーで大きく差がつく
3.食事の内容をノートに書く
4.太る家系だからしようがない?

1.カロリーだけに目を奪われない

カロリーだけがすべてではない

カロリーが低いメニューを食べるだけでは痩せません。まず、痩せるには「カロリーがすべてではない」ということを知ってください。
たとえば、「ざるそば」と「天ぷらそば」を比べてみましょう。ざるそばは284キロカロリー、天ぷらそばは、459キロカロリーです。明らかに天ぷらそばのほうが高カロリーです。実は、ここに落とし穴があります。ざるそばは、麺だけというシンプルなメニューですから、当然、カロリーも低くなります。一方、天ぷらそばは、天ぷら=揚げ物がある分、カロリーが高くなります。揚げものは油をたくさん吸収しているので、その分、カロリーも高くなります。

消化時間が食生活に影響

ざるそばは、消化にそれほど時間がかかりません。これは消化に時間がかかる脂肪分がほとんどなく主成分が炭水化物だからです。炭水化物は胃で素早く吸収されます。ですから、ざるそばは胃のなかにとどまっている時間が短いのです。一方、天ぷらそばは、消化に時間がかかります。これは脂肪の消化に時間がかかるからです。消化のために胃の中にとどまっている時間は、そばだけなら約2時間半程度、えび天ぷらは約4時間とも言われています。
何を言いたいのかというと、ざるそばは早く胃がカラになります。胃の中に食べものがなくなると空腹感が出てきます。空腹になれば当然、食欲が湧いてきますから、つい、間食が欲しくなり、食べてしまいます。すると「低カロリーのメニュー」を選んでいたつもりでも、間食とあわせると摂取カロリーが増えてしまうのです。天ぷらは胃の中に長い時間とどまっています。胃の中に食べものがあると、満腹感が持続します。満腹感が持続すると、次の食事までムダな食欲が湧きません。食欲が湧かなければ、間食を食べたい気持ちも起こらないのです。

具が多いものを選ぶ

具が多いほど胃の中にとどまっている時間が長くなり、消化に時間がかかる分だけ、ムダな食欲を抑えることができます。しかも、具の種類が多ければ、それだけ摂取できる栄養素も増えます。 えび天そばなら、ざるそばにはないタンパク質を摂取でき、代謝を上げることにも効果的です。野菜の天ぷらなら、ビタミン・ミネラル、食物繊維を一緒にとることができるのです。さらに食物繊維は消化が悪いため、満腹感が持続するというメリットもあります。
様々な栄養成分が揃うと栄養のバランスがとれます。栄養バランスがいいと、余分なカロリーが体の脂肪になりにくいのです。これは、麺類に限らず、あらゆる食品に共通して言えることです。 カロリーが低いだけのメニューではなく、具の多いメニューを食べることが、ムダな食欲を消し、自然に痩せるコツです。

このページの先頭に戻る ▲


2.調味料のカロリーで大きく差がつく

小さな積み重ねが大きな差に

みんなと同じメニューを食べているのに、私だけ太ってしまうのはなぜ?という原因の1つに、使う調味料等の量が違うために食べたカロリーに差がつくことがあります。
例えばパンにマーガリンを塗るときを比較してみましょう。
軽く塗ると小さじ2杯(8グラム)で62キロカロリー、たっぷり塗ると大さじ1杯(13グラム)で100キロカロリーです。この差は38キロカロリーあります。
サラダにマヨネーズをかけるときはどうでしょう? 普通にかけたら小さじ2杯(8グラム)で54キロカロリー、たっぷりかけると大さじ1杯強(16グラム)で107キロカロリーです。この差は53キロカロリーあります。
パンとサラダとドリンクの組み合わせで食べた場合、調味料だけで91キロカロリーも差があるのです。 全く同じ食事をしていたつもりでも、バターやマヨネーズ、あるいはドレッシングの量でカロリーに大きな違いがついていたのです(下表)。小さな積み重ねが続いて体重に差がついていたのです。
表 調味料などのカロリー
ふつうの量(kcal)多めの量(kcal)
バター6097
マーガリン62100
マヨネーズ54107
ドレッシング(ノンオイル)1225
ドレッシング(和風)3060
ドレッシング(フレンチ)61122
豚カツソース2448
※「7訂日本食品成分表」より計算。

海外の研究事例
海外で、スリムな姉とぽっちゃり体型の妹の研究があります。姉妹は一卵性双生児で遺伝的には同じ。それにも関わらず体型に違いがでるのはなぜか?と、食事内容をはじめ、仕事などの活動量、睡眠時間などを調べました。そして、たった1つだけ違いが見つかりました。
それは、スリムな姉が食べたサラダの皿にはドレッシングがたくさん残っていて、ぽっちゃり体型の妹の皿には何も残っていなかったのです。つまり、妹は毎食、毎日、姉より少しずつ余分なカロリーを取り続けた結果、体型に差が出たのです。

このページの先頭に戻る ▲

3.食事の内容をノートに書く

記憶よりも多く摂取している

なぜ、食事内容をノートに書くことが重要なのでしょうか? それは、自分の「記憶」と「記録」に大きなズレがあるからです。たいていの人は、自分が食べたと記憶している量より、実際は、はるかに多くの量を食べているものです。
計算上では、消費カロリーより、摂取カロリーを減らせば痩せられるはずです。いままで食べていたものより、カロリーの少ない食事に切り替えれば、痩せるはずです。ところが、現実は痩せません。なぜでしょう?
答えは「カロリーを抑えたはずが、実際は抑えられていない」からです。例えば、ごはんは太るからと考えて、量を3分の1程度に減らしたとします。量を減らせば、その分カロリーは減ります。ですが、ご飯の量を少なくしても、その分、おかずをたくさん食べれば、差し引きゼロ。総カロリーは、結局いつもと一緒、ということが起きるのです。でも本人は、「ごはんを減らしているからカロリーは減っているはず」と信じ込んでいるため、なぜ痩せないのだろうと、「記憶」と「記録」のズレに悩むわけです。

「お菓子なんか食べていない」

特にお菓子類は、食べたことすら忘れていることがあります。覚えていても、量を少なく考えがちです。お菓子類は、1日3食の食事以外に食べることが多いため、食事とみなさない人が多いという理由もあるかもしれません。
それに、人は自分に都合が悪いと思うことほど、なかったことにしようとする生きもの。カロリーが高いお菓子は、無意識のうちに、食べなかったことにしようとする心理が働くのかもしれません。特に、太り気味の人にそうした傾向が強いようです。

記録することで痩せる

だからこそ、食事の内容をノートに記録して、自分が食べたものをしっかりと把握することが大切なのです。ノートに記録を続けると、無意識のうちに、カロリーを控えようとする心理が働いて、食事をコントロールしやすくなります。これが「食事の内容をノートに書くと太らない」理由です。ちょっとした手間を惜しまないだけで、誰でも無理なく痩せることができるのです。

このページの先頭に戻る ▲

4.太る家系だからしようがない?

家系は関係ない

何を食べても太る家系だから痩せられない、というのは完全な誤解です。太るのは、遺伝よりも、圧倒的に食生活の影響が大きいからです。
両親が太っていることを理由に、自分が太るのは遺伝のせいだと思っていませんか? たしかに、血縁のある家族なら遺伝的にも体質が似ています。両親や兄弟姉妹が太っていると、つい遺伝の可能性を考えたくなるものです。しかし、夫婦、つまり父親と母親との間では血縁関係はありません。当然、両親の体質はまったく違ってきます。にもかかわらず、家族全員が太っているというのは、どういうことでしょう?

家族そろって太るのは?

これは、家族そろって「太りやすい食生活」をしているからです。家族全員が、毎日一緒にカロリーオーバーの食事をとっているのです。長年カロリーオーバーを続けていれば、本来は痩せ体質の人でも、おのずと体重は増えてきます。つまり、太るのは遺伝のせいではなく、家族で太るような食生活をしているからです。

姉妹兄弟なのに体型が違う

ところで、あなたの周りに、スリムな人と太っている人が混じっている家族がいませんか? 例えば、姉はスリムなのに妹は太り気味、妻は細身なのに夫はお腹がポッコリ出ている、というような家族です。家族なら、毎日似たような食事をして、同じようなカロリーをとっているはずです。にもかかわらず、体型に違いが起きるのはなぜでしょうか?
その理由は、実は「食事以外からとるカロリー摂取量の違い」にあります。食事以外でのカロリーとは、おやつやお酒、おつまみ類です。前にも述べたように、おやつやお酒、おつまみといったものは、食べたことそのものを忘れやすいもの。忘れていなくても、少なめに考える傾向があるのです。食べたことを忘れていたり、たいした量を食べていないと思っているわけですから、実際は相当なカロリーを摂取しているのに、そのことに気づけません。

写真に残す

家族で同じように食べているのに、体重に差が出てしまうのは、きちんとした理由があるのです。けっして遺伝のせいではありません。家族間で体重差が出てしまうのは、食事以外からとるカロリー摂取量の違いだとしても、本人としてみれば心当たりがないため、すぐには納得できないこともあるでしょう。
そこで「1日に食べたものを全部撮影してみる」という方法があります。すると、友達とケーキを食べていたり、飲み会の席でお酒やカロリーの高いおつまみを食べていたことが全部写真に写っています。それを見て、「こんなに食べていたの?」と驚く部分がでてきます。写真を見てはじめて、いかに自分が食べすぎていたかを実感するのです。
試しに、3日間程度、自分が食べていたものを全部写真に撮ってみてください。自分の予想以上に食べていたことに気づけます。

筆者から最後に

自分が実際にどれだけの量を食べているか、正確に把握するのは案外難しいことです。メモをしたり、写真にとるなどをして記録に残しておけば、自分が食べたと考えていた量と実際に食べた量のズレが把握できます。予想以上に食べていることに気づけば、自然に食べる量が調節できて、ガマンせずにスリムになっていきます。

このページの先頭に戻る ▲

菊池真由子(管理栄養士 健康運動指導士 NR・サプリメントアドバイザー)
大阪大学保健センター、フィットネスクラブ、国立循環器病センター集団検診部を経て、インターネットなどで病気の予備軍の人達への栄養指導を専門に20年あまり従事。特にダイエット、生活習慣病、メタボ対策、健康づくりなどを中心に行う。サプリメントの専門家としても幅広く活動し、マスコミ取材も多数。
著書に『免疫力を上げるコツ』『免疫力を高めるとっておきメニュー』『がん予防に役立つ食事・運動・生活習慣』『40歳からの健康ダイエット』『花粉症からあなたを守る食事学』『あなたと家族を守る がんになりにくい、再発しにくい 食事と生活習慣』など。



ここから他ページへ飛ぶリンクナビゲーションが始まります

ここからフッターリンクナビゲーションが始まります