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【1.資産運用の基礎知識】 退職後の生活費の収支

 2009年3月31日の日経平均株価の終値は8,110円となりました。それからちょうど1年前である2008年3月末日の終値は12,526円でしたので、金額で4,416円、率にして実に35.26%という歴史的な大幅下落となりました。この間、資産を日本株式で保有していた方や、確定拠出年金制度で日本株式を中心に運用していた方にとっては厳しい運用環境であったといえます。一方、2010年3月19日現在の終値は10,825円でしたので、2009年3月末日に比して33.48%の大幅上昇となっています。投資家にとって環境は一変しています。上へも下へも大きな変動です。

 ここで「退職後の生活費」について考えます。まず、退職後の収入についてみていきましょう。退職後の収入を考える上で大きな柱となるのが公的年金ですが、公的年金の給付水準を示す指標として所得代替率があります。所得代替率とは、平たく言えば、現役時代の所得を分母に、退職後の所得を分子とした計算結果のことです。例えば、現役時代に毎月50万円の所得があり、退職後には25万円になったとすれば、所得代替率は25/50ですから50%ということになります。一般的には60%※1の所得代替率がないと生活はかなり苦しくなると言われており、60%は公的年金の給付水準の目標にもなっています。

退職後の収支  厚生労働省の調査によると、全世帯の平均的な手取り所得は年間453万円※2です。ここでは仮に手取り所得を現役時代の所得だと考えてみましょう。すると453万円を12で割って、毎月あたり約38万円になります(これにはボーナスも含まれていますが、ならしてみればサラリーマン世帯の平均的な月収は約38万円ということができます)。公的年金による所得代替率が60%である場合、22万6,500円が公的年金から支給される金額の目安と考えることができます。

 これまでは収入を見てきました。それでは退職後の支出額はどのようになっているでしょう。世帯主年齢が60歳以上の無職世帯の場合の消費支出額は、毎月約25万円※3といわれています。さらに、ゆとりある老後生活を送るためには、毎月38万3,000円※4が必要だといわれています

 これらの金額をまとめた図をご覧いただくと、必要な生活費と公的年金との差額は毎月2万3,500円。ゆとりある生活費との差額は実に15万6,500円にのぼります。この差額分は企業年金、個人年金あるいは貯蓄をとりくずして埋め合わせることが必要になってくると考えられます。例えば、退職後に夫婦そろって25年間生きることを想定しますと、ゆとりある老後生活(毎月、公的年金+15万6,500円)を送るためには公的年金以外に約4,700万円が必要となります。4,700万円という金額は相当大きなものです。毎月約16万円を年あたりの金利2%で20年間貯蓄し続けると確保できる金額なのです。かなり計画的に資産形成をしないことには到達できない金額だと思われます。さらに今後、公的年金の所得代替率が低くなれば、準備しなければならない額はますます大きくなります。現役世代のゆとりと退職後世代のゆとりとの共存の妙案は宝くじ以外にないものでしょうか。

※1 厚生労働省(PDF):http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0526-6e.pdf より

※2 厚生労働省:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001038554より。毎月勤労統計調査年報、2007年調査結果(「表番号13 産業大中分類別常用労働者1人平均月間現金給与額」事業所規模30人以上)より

※3 総務省統計局:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001042289より。家計調査年報(家計収支編)平成20年(二人以上の世帯[表番号3-3 世帯主の職業別「全国・都市階級」])より

※4 生命保険文化センター:http://www.jili.or.jp/research/report/chousa19th_1.htmlより。平成19年度「生活保障に関する調査」より


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