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ストレスがつくるこころの病気

まずは診察を受けることが治療の第1歩

 一人で悩まずに、専門家の力を借りることをおすすめします。周囲の人が気づいてあげることも大事です。

ストレスがつくるこころの病気の例

 

 ストレスからくるこころの病気の代表的なものとして、神経症うつ病統合失調症人格障害があります。

神経症

神経症とは

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 神経症は、ストレスからくるこころの病気の代表で、誰にでも起こり得る病気です。以前はノイローゼと呼ばれていましたが、最近では不安障害とも呼ばれています。つまり、自分の住む社会にうまく適応できず、心身にさまざまな症状が現れます。ストレスに弱い性格の人は、些細なストレス刺激でも神経症になりがちです。また、ストレスに強い人でも、大きなストレス刺激を受けると、神経症になってしまいます。

神経症になりやすい性格は?
  • 内向的、理知的、過敏症的な性格
  • 執着性が強い
  • 感受性が強い
  • 欲望が強い
神経症の種類

 神経症には、不安神経症、解離性障害、強迫神経症など、さまざまな種類があります。

神経症の治療法

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 誰にでも起こり得る病気ですから、一人で悩まず、専門家に相談してみましょう。それが治療の第一歩です。 相談する相手は、保健所の精神保健相談員や精神保健センターが手近です。人に会いたくない、出向くのがおっくうという人は、「いのちの電話」など、電話相談のシステムを利用するのもいいでしょう。また、同じ悩みを持つ人たちやその病気を克服した人たちが集まって開く会合などに参加してみるのも手です。
 少し勇気が出てきたら、精神科医や心療内科の専門医を訪ねてみましょう。症状が軽い場合は、カウンセラーを紹介してくれることもあります。
治療が必要な場合は、精神療法と薬物療法が行われます。薬物療法では、タイプによっては抗不安薬や抗うつ薬が効果を発揮することもあります。

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うつ病

うつ病とは

 現代社会では、うつ病が激増しています。うつ病になると、憂うつ感が強くなるだけでなく、不安や意欲の低下が現れ、日常生活にも支障が現れ始めます。また、早く目覚めるという睡眠障害など身体症状も伴ってきます。

うつ病の主な症状

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  • 気分のひどい落ち込み
  • 興味や喜びがなくなる
  • 食欲の減退・喪失
  • 睡眠障害(不眠または睡眠過多)
  • 疲れやすい、気力の減退
  • 強い罪悪感
  • 思考力や集中力の低下
  • 自殺願望
うつ病の治療法

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 治療は、薬物療法や電気けいれん療法、精神療法(心理療法)、環境調整が行われます。薬物療法では、効果はすぐに現れるものではなく、また、症状が改善しても再発を防ぐために服薬を続けることが必要となります。精神療法は専門医とカウンセリング等をしながら進めていきます。
 また、うつ病の発症には環境要因が大きく影響しているので、これを解決していくことも重要です。

家族・友人が早期に発見するために

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 うつ病は早期発見して治療することが重要ですが、本人が自分がうつ病だと気づかなかったり、気づいていてもためらって相談しなかったりすることが多いようです。そこで、周囲の家族や友人が、本人が発しているサインを察知し、早い対応を心がけたいものです。
 うつ病が疑われたら、早めに受診しましょう。うつ病の場合、ほとんどが通院治療となります。本人が拒否した場合は、うつ病の内容や薬の効果などについて説明したり、精神科や心療内科医療についての情報を提供したりして、根気よく説得することが大切です。まずは家族だけで相談に行き、医師の助言を得てもいいでしょう。往診をしてくれる医師に巡り会えることもあります。

|周囲から見たうつ病チェック|
  • 口数が少なくなる
  • 朝方や休日明けに調子が悪そう
  • 遅刻、早退、欠勤(欠席)が増える
  • 好きなことにも興味を示さなくなった
  • 食欲がない
  • 急にだらしなくなった
  • だるさを訴える
うつ病の人への接し方

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 うつ病の可能性のある人と話をするときは、信頼関係をつくることに配慮し、話し方にも気をつけなければなりません。

  • 時間も場所も、ゆとりを持ったところで話を聞く。
  • プライバシーが漏れないように配慮する。
  • 相手の不安や悩みを受け止め、つらい気持ちに共感しながら話を聞く。
  • 本人が頑張ってきたことを認め、励まさないで、相手の気持ちに寄り添う。
  • 答えをせかさない。質問方法も、できるだけ自分の気持ちを話しやすいように気をつける。

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統合失調症

統合失調症とは

 2002年までは精神分裂病と呼ばれていましたが、厚生労働省の通達により、統合失調症と呼ばれるようになりました。
 統合失調症は、思考・感情・知覚・行動に大きく影響するこころの病で、急性期には陽性症状(妄想、幻聴、混乱、興奮)と陰性症状(感情鈍麻、思考・意欲減退)などのさまざまな症状が現れます。そして、消耗期を経て慢性期(回復期)となるのが一般的です。10代から20代に発病し、罹患率は100人に1人程度です。妄想や幻覚は、本人には現実と感じられるため、発病を自覚できないことが多く、家族や周囲が異変に気づくことも多いようです。
 原因ははっきりしていませんが、脳の中の神経伝達物質の異常が原因と考えられ、また、その人の生まれ持った素質、生まれてからの能力・ストレスに対する対応力、ストレスを引き起こすような環境要因などが絡み合って発症すると考えられています。

統合失調症の治療法

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 薬物療法とリハビリテーションで患者の3分の2が社会復帰しています。薬物療法では抗精神病薬を用い、幻覚や妄想を取り除くなど、陽性症状の改善を図ります。リハビリテーションでは、集団でスポーツやゲーム、対人交流の練習等を行って社会復帰の訓練をします。ただし、この治療は長期を要するので、家族も本人も無理をしすぎないことです。公的な支援制度や社会復帰施設を活用しながら、焦らず取り組むことが大切です。

人格障害

人格障害とは

 人格は、性格と同じような意味で使われますが、気質も含まれています。性格は周囲の環境や社会、文化に強く影響を受けるもので、気質は遺伝的要素が強いのです。その人格が、常道からはずれてしまって、社会生活に障害を来し、病んだ状態を人格障害といいます。青年期〜成人期早期に始まることが多いようです。
 例えば、あいさつをしない、思いこみが激しい、言い逃れをする、平気で嘘をつく、言うことが1日で変わってしまうなど、言動や対人関係のあり方、考え方が極端に偏っている状態で、表面的に接していると周囲は気づきにくいのですが、深く関わると変なところが見えてきます。本人は自分がおかしいという自覚はなく、周囲の人のせいにする傾向があります。

人格障害の種類

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遺伝的に統合失調気質を持っている場合(自閉的で妄想を持ちやすい)
  • 妄想性人格障害
  • 統合失調質人格障害
  • 統合失調型人格障害
感情的な混乱が激しい(演劇的で、移り気に見える)
  • 反社会性人格障害
  • 境界性人格障害
  • 演技性人格障害
  • 自己愛性人格障害
不安や恐怖感が非常に強い(周囲からの評価や視線が非常にストレスになる)
  • 回避性人格障害
  • 依存性人格障害
  • 強迫性人格障害
人格障害の治療法

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 人格障害は少子化、核家族化といった社会が生み出した病理現象ともいえ、医療で根本的な問題解決を図ることは難しいと考えられています。しかし、不安・緊張症状、強迫症状、抑うつ症状、妄想症状が強い場合には薬物療法の対象となります。また、幻覚妄想や精神運動興奮などの精神病症状が強い場合は、一時的に入院治療が適応されます。

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