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【1.資産運用の基礎知識】 老齢基礎年金を受けるための条件は?

 人生100年時代と言われるようになりました。厚生労働省が発表した平成29年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.26歳となっています。また、ある年齢の人がその後何年生きられるかという統計値を平均余命といいますが、60歳の平均余命は男性83.72歳、女性88.97歳、65歳では男性84.57歳、女性89.43歳です。「老後」と言えば、つましく余生を過ごすという時代は今は昔、現在では華やかな「第二の人生」という新たなステージの場へと変化しました。第二の人生を快適に送るために必要なものはやはり資産です。ご一緒に老後のための資産運用を考えていきましょう。

 欧米で俗に「年齢法」と言われている資産運用法があります。統計的に立証されたわけではありませんが、一種の慣習として、そのわかりやすさからよく利用されているようです。

平均寿命の年次推移

厚生労働省「平成29年簡易生命表」等より



 「年齢法」は次のように使います。

 自分の年齢をパーセントに見立てて、20歳なら20%、40歳なら40%と、自分の年齢のパーセント分だけ債券を持ち、残りの資産は株式で運用するという方法です。債券は比較的安全な投資対象です。株式は価格の変動が激しく、大きく値上がりして利益が出ることもあれば、大きく値下がりして損失を出してしまうこともあります。ハイリスク・ハイリターンの投資対象なのです。

 「年齢法」に従うと、若いうちはリスクは大きいがリターンも大きくなる可能性のある株式で資産の多くを運用し、年を経るに従って安全性の高い債券の割合を増やす資産運用手法を実践することとなります。若いうちはハイリスク・ハイリターンを追及し、年をとってリスクを冒しにくくなるにつれてローリスク・ローリターンの運用で保有資産の確保を図るのです。

 「年齢法」は分散投資を実践する手法でもあります。債券だけではなく株式にも投資することで、債券の市況が悪いときでも株式市況が好調なことで救われる場合があります。逆のことも起こり得ます。 分散投資の効果は投資理論の世界でも証明されています。 日本人は、資産の多くを銀行預金などの元本が確保されている金融商品に投資しています。年齢にかかわらず銀行預金の割合は高いのです。とはいえ株式投資に興味が無いわけではありません。資産を大きく成長させるにはハイリスク・ハイリターンの株式に投資をした方がいいのだろうと漠然とは知っていますが、実践できないのです。

 心理学の領域で面白い実験結果が報告されています。「選択肢が多すぎると何も選択しない」というものです。デパートのワインコーナーやワイン専門店に行くと数百種類のワインが並べてあります。こういう状況で、一般的に我々は種類があまりにもありすぎて、つまり、選択肢が多すぎて、結果的にワインを選択できないのです。一方、スーパーマーケットや近所の酒屋さんだと数種類しか置いていないので、気軽に選択することができます。

 投資の世界でも同様のことが起きています。将来のために資産形成をしよう、そのためには株式にも投資してみよう、と思っても投資対象が多すぎます。上場株式は東証1部だけでも2,080(2018年4月現在)を超えますし、株式の投資信託も6,000以上あります。これでは資産形成のスタートを切ることができません。

 これを解決する方法は1つです。投資にかかわる知識を深めることに尽きます。ワインに詳しくなれば数百のワインから気に入ったものを選べます。でも私たちはソムリエではありません。もっと手軽に気に入ったものを選ぶには代表的な銘柄を知っておけばいいのです。赤ワインならこのラベル、白ワインならあのラベル、といった具合です。ソムリエ級の知識が無くとも迷うことはありません。

 投資の世界でも、株式や債券あるいは投資信託などの全てに精通する必要はありません。それぞれの代表的商品について、その特徴や仕組みを理解すれば迷うことはないのです。

 なお、投資の対象となる商品は、本稿で取り上げた国内株式、国内債券、外国株式、外国債券(この4つを伝統的資産という場合があります)を中心としたものに限りません。オルタナティブ(代替的資産ともいいます)といって、農産物・鉱物、不動産などの商品、未公開株式や金融技術が駆使された先物、オプション、スワップなどの取引、さらにはFX(外国為替証拠金取引)、仮想通貨などにまで及びます。
 ただし、本稿はあくまで「老後のための資産運用ABC」ですので、老後資金というお金の性質、運用におけるリスクなどの観点から、4つの伝統的資産を中心として説明を展開してまいります。

※東京証券取引所発表数値


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