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60歳代以降

ゆったりと暮らす

 60歳以降の人だけではなく、歳を増すとともに、老後の生活に不安を持っている人は多いと思います。豊かで元気な生活を続けるために生活を少し変えてみませんか。

60歳以降の生き方

到来した「実り」の時期

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 定年退職後などの高年期(65歳以降)は体力や健康への不安が高まりますが、年金生活であれば職場から解放された時間的な余裕を個人的な関心事や地域の活動などに取り組み、さらなる生き甲斐をもって暮らすことが可能になる「実りの年代」ということができます。
 また、後期高年期(75歳以上)であれば、自分の体力や健康状態に合わせた自然体の生活をこころがけ、いつまでもこころと体の活動性を持続することを目指す、「安穏の年代」といえます。
 しかし、気力はさておき、体は体力の低下や病気がちになることもあり、老化を意識するレベルに達し、生活のなかでの健康問題が大きくなります。

困難に直面しても生き甲斐を探す

 糖尿病や脳血管疾患などによる視覚障害や身体障害に見舞われることもあります。寝たきりや認知症、認知症と間違われるような精神障害など、介護・入院を必要とする重篤なケースもみられますが、それほど深刻な状態ではなくても耳が遠くなる、歯を失うことによる咀嚼の機能に問題が起こるなど、日常的な生活の質(QOL)にかかわることも多くなります。

周りとの交流が若さを保つ

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 高血圧や腰痛、白内障、脳血管疾患、心臓病、がん、緑内障などで医療機関と関わることが多くなりますが、多少の病気であれば、生活の質を維持し、こころ豊かに暮らすことができるよう、自ら試みることが大切です。
 そのためには、地域の活動、趣味のサークル、ボランティア活動などに加わったりして、周りとの交流に取り組む姿勢を保つこともよいでしょう。こころと体の健康にもよい影響を与えます。

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健康で過ごすために

手軽な運動をする

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  • 自分のペースで歩く。
  • 体力や健康状態にあった散歩やゲートボールなど無理のない運動を続ける。
  • 簡単な筋力トレーニングをする。
  • 家事などで積極的に身体を動かすよう心がける。

食生活を楽しむ

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  • 体調に合わせたバランスよい食生活を心がける。
  • 家族や友人などと一緒に楽しみながら食べる機会をもつ。

友人や知人と積極的に交流する

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  • 時間の余裕ができるので、やってみたかったことにチャレンジする。
  • 地域やボランティア活動などに積極的に参加する。
  • 培ってきた知恵や知識を次世代に伝える。
  • 熟年だからこそのセックスを心がける。

よく噛める状態を維持する

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  • しっかり噛んで食べる。
    よく噛むことが栄養摂取の偏りを防ぎます。
  • 歯ぐきをマッサージするよう磨く。
  • 「かかりつけ歯科医」で定期的に歯の健診を受ける。
|歯の喪失・歯周病|
 20本以上の歯がある人の割合を見てみると、50歳代前半までは90%以上ですが、60歳代前半では約78%、後半では約70%になり、70歳代前半では約52%以下になり、後半では50%以下になっています。80歳代では、前半で約29%、残存数も平均11本程度、後半では20%以下、残存数8本程度です。
 歯触りを楽しみながら美味しく食べる、しっかり食べるにはやはり自分の歯でかめることがいちばんです。
 喪失の原因は、虫歯、歯槽膿漏などですが、特に後者のうち、糖尿病による歯槽膿漏(歯周病)が難問ですから、糖尿病の血糖管理を行うことが大事です。
 歯周病のバロメータ、「4mm以上の歯周ポケット」の有無を見てみると、30歳代後半〜40歳代前半で25%ほど、40歳代後半〜50歳代前半で30%超、50歳代後半から半数近くの人があります。歯ぐきのマッサージが必要なゆえんです。
(資料:厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査」)

目の定期検診を受ける

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 白内障は高齢者の約8割の人がかかる老化に伴う目の病気です。年間20万人以上の人が受ける手術にはタイミングが大事ですから、ものが見えにくいなどの症状が現れる前に、検診を受けましょう。
 緑内障も目の成人病です。発症の原因は眼圧が高いことですが、自覚症状があまりなく、検診を受けて早期に発見しましょう。遺伝的な素因もあるといわれますので、近親者に緑内障の人がいる場合はとくに気をつけましょう。

慢性の腰痛は地道に治す

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 腰は日常生活でどのくらい負担がかかるのか?おじぎでも、腰にかかる負担は体重の3倍程度の150Kg、姿勢次第で500Kg近くかかることもあります。まして、重い物を持ったときの腰への負荷は想像を絶します。半面、加齢とともに腰の骨や筋肉は弱る一方で、悩める高齢者が多くいます。
 腰痛の原因には腰回りの筋肉の衰えのほか、腰椎や椎間板のトラブル、骨粗しょう症などいろいろなものがあります。「原因が思い当たらない」、「腰以外の場所にも症状がある」、「激しい痛みが続く」などの場合には老化現象とあきらめないで、きちんと診察・治療を受けましょう。

|腰痛の治療で大切なこと|
  1. 外的な力による、腰への負担を減らす。
    • 負担のかからない姿勢を覚える
    • 物をもち上げるときは腰をきちんと下ろし、体に近づけて持つ
    • リュックやショッピングカートを利用する
    • 荷物を両手に分ける
    • 重たいものを持つときには特に注意する
  2. 柱(腰椎)と壁(腹筋・背筋・大腰筋)を鍛える。

     腰椎:高齢者で骨粗鬆症があれば、骨を強くする薬を飲みます。運動でも骨は強くなります。高齢者にありがちな膝の痛みについても基本的に腰痛と同じような治療法がとられます。
    腹筋と背筋:水泳や腰痛体操を行なう、よい姿勢をとる、など普段から地道な努力が必要です。

  3. 整形外科の専門医の対症治療(補助療法)

     薬を飲む、マッサージ、電気をかける、腰の牽引をするなどで、いずれも一定の効果があります。「魔女の一撃」ともいわれる、ぎっくり腰が重症のときは手術になることもあります。

禁煙する

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  • 喫煙は、心臓病など生活習慣病や体調の変調を促す。
  • マナーを守り、家族や周囲の人たちの受動喫煙を防ぐ。

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高齢者のための筋力トレーニング

 最近は高齢者について前期(75歳未満)・後期(75歳以上)と区分けすることが多いのですが、前期・後期を問わず、高齢者にとって体力やバランス感覚がにぶることによる歩行中、あるいは階段の昇り降りでの転倒事故は少なくありません。手足の骨折や硬膜下出血などの思わぬアクシデントを招いたり、しかもそれらの事故によって寝たきりになったり、運悪く打ちどころが悪く死亡するケースもあります。
 では、どうするのか? 若い人と同様に筋力トレーニングをして、体力を保つ、あわよくば体力をアップすることも可能ですが、少なくとも、転倒事故を起こさないように筋肉を鍛えるトレーニングをしましょう。

なぜ、筋力トレーニングが必要なの?

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 ウォーキングと階段のぼりだけでも体力を保つことができますが、それらに筋力トレーニングをプラスするのは健康づくりのための運動ではいまや常識になっています。
 からだの筋力がアップすると、自分の体力に自信が持てるようになるのは当然ですが、からだの基礎代謝量(寝ていても消費されるエネルギー量)がアップしてより太らないからだになることもよく知られています。メタボリックシンドローム対策にも好都合です。

これだけすれば、大丈夫!

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 どんな運動をどのていどすればよいのか?
 都合のよい時間に、次の「転倒予防のサーキット・トレーニング」と「自分の体重を利用した筋力トレーニング」を各々、週2回ほど実施してください。
 成果を1回や2回で得ることはできませんから、体調に合わせて時には種目を省略してもかまいませんから、根気よく続けてください。

転倒予防のサーキット・トレーニング(1から7を連続して1セット)

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  1. ウォーキング(歩行)

    姿勢を正して約1,000m

  2. 小刻みなステップ(ラダー)

    40cm×30回を右、左脚各1回

  3. 台の上り下り

    高さ15cmぐらいのステップ台で右、左脚10回×2回

  4. つま先立ちで肩を引き上げる(ボディバー)

    2kgぐらいの重りを持って右、左の肩10回×2回

  5. 障害物を跳ぶ

    40cmほどのミニハードルを右、左脚各1回

  6. 立ち上がり

    お尻を40cmまで下げ立ち上がりを8回

  7. 寝ころんで膝を立てからだを起こす

    腹筋運動を10回

自分の体重を利用した筋力トレーニング

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  1. 寝ころんで膝を立てからだを起こす

    腹筋運動を10回

  2. つま先立ちで肩を引き上げる

    足踵挙上(下腿三頭筋等)を10回

  3. お尻を40cmまで下げ立ち上がり

    臀部挙上(大殿筋)を10回

  4. 肩幅に足を開き足を屈伸させる

    スクワット(大腿筋)を10回

  5. 相撲のシコ運動

    腸腰筋(大腰筋・小腰筋・腸骨筋)を10回

  6. 右・左脚の引き上げ

    脚挙上(内・外転筋)を10回

(注)転倒予防のサーキット・トレーニングと重複している項目もありますので、体調に合わせて調節してください。

トレーニングを開始する前の注意

 高齢者にとって運動がからだや心肺へのとても大きい負荷になることも考えられます。寒かったり暑かったり、寝起きとか、お酒を飲んだ後などにトレーニングをしないことは常識ですが、始める前には必ずかかりつけの医者(ホームドクター)などの専門家に相談のうえ、トレーニングを実践するようにしてください。

(注)本項目は県民健康プラザ健康増進センター(鹿児島県鹿屋市)の研究成果を参考にしつつ、わかりやすくすこしアレンジしています。

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