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【中古住宅を買う②】中古戸建住宅購入の基礎知識

今回は、中古戸建住宅の購入について考えてみます。
中古住宅を購入するに当たって、すでにマンションか戸建住宅にするか決めている方も、この機会に両方を比較検討することで、また違った将来計画が生まれるかもしれません。

中古戸建住宅を購入するときは、建物以外にも目を向けて

前回の中古マンションの場合と共通点も多いのですが、戸建の場合は敷地の問題がより大きくなってきます。また、構造面では木造が多いため、耐用年数が重要なチェック項目になります。また、改装や建替えについてはマンションのような規制がありませんので、将来のことも視野に入れて考えてチェックすると良いでしょう。

1.何を条件に探す?
2.ソフト面から考える
3.ハード面から考える

1.何を条件に探す?

中古戸建住宅を探すときには、まず、いろいろな条件を自分なりに整理して、優先順位を付けてみましょう。そうすることで、選択基準が決まってきますので、物件を絞り込むことができます。また、不動産屋に条件を提示する場合にも便利です。

【選択条件のいろいろ】
  • ○立地・・・・・・・・・・・・公道・私道との接道状況など
  • ○建て方・・・・・・・・・・建ぺい率、容積率など
  • ○予算・・・・・・・・・・・・住宅ローン、自己資金など
  • ○地域・・・・・・・・・・・・通学、通勤、保育所の便など
  • ○部屋数と間取り・・・将来の生活設計、買い替え計画などによる
  • ○生活の利便性・・・・買い物など
  • ○設備・・・・・・・・・・・・熱源、冷暖房システム、キッチン設備、浴室設備など
  • ○築年数・・・・・・・・・・建物の耐用年数も合わせて考慮
など
地価から資産価値の検討してみる
立地の良い所は多少古くても資産価値があります。ただし、戸建てを売却する場合、更地にしての売却が一般的なので解体費用は考えておかなければなりません。
資産価値を計算するとき、敷地面積が30坪で、その場所の土地の値段を調べて100万円/坪だとします。 そうすると、100万円x30坪=3,000万円が土地分の資産になります。この価格とその建物の売値を比較するのも、中古として高いのか安いのかの判断材料になります。
また、建築時の容積率(全体の床面積は敷地の何%まで建てられるか?)が変わって増えている場合もあるので、そのような建物は建替え、増築をすると、床面積が増えます※。その土地の現在の建ぺい率(敷地に対して、何%まで建築できるか?)と容積率はチェックしておきましょう。

※増築する場合は、その建物が増築の確認済み、検査済みかどうかが問題になります。市区町村役場の建築課で調査します。確認申請は通常行われていると思いますが、竣工検査を受けて検査済証が無い場合が戸建住宅ではよくあります。その場合、増築するために新たに確認申請することは困難ですから、気をつけましょう。
(詳しくは「住まいとライフスタイルプラン」の【リフォームの設計から完成まで】をご覧ください。)

2.ソフト面から考える
中古戸建住宅を、自分の資金計画や立地などのソフト面から考えてみます。

資金計画

新規購入の場合はローンを組む場合が普通ですが、中古戸建住宅の場合も、一括払い・ローン返済のどちらでも無理のない返済計画かチェックしましょう。その場合、今後の固定資産税や修繕費なども含めて考慮しましょう。

※新規購入の場合は、新築・中古別に所得税の特別控除を受けることができます。
※購入の前に土地や建物を売却している場合は、分離課税を計算する上で譲渡所得に対する特別控除を受けることができます。


立地と周辺環境

■通勤、通学の便
通勤、通学の便をチェックしましょう。バスの運行時間や自転車の駅前駐輪場の位置も要チェック事項です。また、小さい子のいる共働きの場合は保育所の有無と位置も要チェックです。

■私道の共有
住まいが私道と接しており、他の住宅と共有私道となっている場合は、私道は接している全住宅で按分して所有することになります。按分率は事前に確認しておきましょう。

■騒音など
大きな道路際、線路沿いなど、窓を開放できないほどの騒音がある場合は、日常生活のなかで必ず問題が出てきます。
周辺環境は一度ではわからないので、時間帯を変えて周辺を歩いて見ることが重要です。天気や季節、時間帯ごとにまったく違って感じるものです。

■隣家との関係
戸建住宅の場合、マンションよりも隣人関係が密接になります。長い付き合いになることが多いので、可能な限りの情報は得ておいたほうが良いでしょう。

こんなところもチェックポイント その①
◆ゴミ出し場所をチェック
ゴミだし場所は、今住んでいる近隣住人のバロメータになります。単身者の多い地区では、ルールが乱されがちです。
また、個別か何軒かまとまったところに設置されているかによっても、ルール上の問題が異なってきます。

◆保証期間をチェック
新築の物件は建築後10年の保証が義務付けられていますが、中古の物件にはありません。従って、保証期間はどうなっているかは、不動産屋に確認しておきましょう。

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3.ハード面から考える
中古戸建住宅を、構造や耐用年数、間取りなどのハード面から考えてみます。

概要

外観

木造住宅のグレードは様々ですが、見た目で判断するのは困難です。大体がリフォームされて綺麗になっているからです。

【チェック項目】
  • ①外壁がモルタルの場合ひび割れ(クラック)がないか、またはそれを埋めた跡がないか?
  • ②サイジングボードの場合は、継ぎ目のコーキング(隙間埋め材、シーリングとも言う)が劣化してないか?
  • ③窓廻りのコーキングは弾力性があるか?
  • ④屋根または庇のラインは歪んでないか?
  • ⑤破風板は健在か?などをチェックしておきましょう。
  • ⑥基礎はコンクリートのヒビ割れがないか?


内部

内部で、重要なのは基礎です。

【チェック項目】
  • ①基礎は外からも見えるので、コンクリートにヒビが入っていないかチェックします。
  • ②木造の住宅では、1階に床下収納が付いている場合が多いので、その蓋を開けて、プラスチックの容器を取り外すと床下が見えます。懐中電灯などを点けて、土台や基礎のコンクリートをチェックします。
    ・床下は乾いているか?
    ・土台は腐っていないか?
    ・基礎のコンクリートは綺麗か?
  • など


■その他

柱や窓など、住まいの肝要な部分をチェックします。

【チェック項目】
  • ①和室などの柱は判断材料となります。
    ・節が無くヒビが入ってなくて艶があるか?
    ・壁との隙間が少ないか?
  • ②柱は木材のものと鉄骨をシートでくるんでいるものがあります。耐用性や耐震性は一概にはどちらが優れているとは言い切れませんが、大規模リフォームを考えている場合は木材の柱を選んでおいたほうが良いでしょう。
  • ③窓(サッシ)に関してはペアガラス(二重のガラスでその間は真空に近いので魔法瓶のように断熱性がある)が良いでしょう。

構造

構造面では、軸組み計算の基準が平成12年に改正されているのでチェックしておきましょう。この改正により、筋交いの配置をバランス良く配置することが義務付けられました。また、直下型の地震に対して建物が浮き上がらないように基礎と建物をしっかり繋ぐことなどが改正されました。
※筋交い:横揺れに対して木造建物が耐えられるように入れた斜材をいいます。

耐用年数

木造の耐用年数は30年とされています。これは、あくまで税制上の耐久年数なので、もちろん、それ以上使うことは可能です。そのためには、日常のメンテナンスが必要です。

接道基準

戸建ての住宅は道路に2m以上接しなければいけないことになっています(建築基準法)。
ところが、昔の尺貫法の1.8mしか接していないケースがよくあります。この場合は、建替え、増築、大規模の改修はできないので要注意です。
また、路地状敷地といって、2mの接道はクリアしていても、その路地状部分の長さが20mを超える場合は、建替え、増築、大規模の改修は認められません。
さらに、前面道路が4m未満の場合は建て替えするときに4m道路となるように敷地を後退しなければなりません。この場合、現在の道路中心からの場合と一方側での後退があります。このことは、不動産業者の重要事項説明に含まれます。

接道基準

間取り

部屋数と配置を、家族のライフスタイルを考えて、日当りや動線からチェックします。
また、将来の家族構成も考慮したいものですが、子供の学校や保育所の問題が無ければ、その時は買い換えるというのも方法です。
戸建住宅の場合はリフォームして自分のライフスタイルに合わせることも可能です。また、DIY(Do It Yourself)といって自分で改造したりすることも自由です。例えば畳の部屋をフローリングにしたり、壁紙の壁を板張りにしたり、テラスをウッドデッキで造ったりといったことが可能です。

遮 音

窓やドアは、遮音性の程度によりグレードが異なります。
窓はガラスが二重のペアガラスのものが断熱性に優れ、冬でも結露しないのでお勧めです。

壁・天井の材質

木造の壁、天井は多くが石膏ボード(プラスターボードともいう=PB)が張られてビニールクロスなどで仕上がっています。
厚さは通常9mmと12.5mmがあります。天井は9mmを使うことが多く、壁は12.5mmが普通ですが、建売などは壁も9mmを使うことがありますので、要注意です(子どもがぶつかって壊れたりする)。ただし、見た目ではわかりませんので、専門家にチェックしてもらいます。
耐火性能を上げるため二重張りすることもあります。木造3階建ての場合などは場所によって強化石膏ボード(耐火性能を上げたもの)を使い2重張りします。

設備(エネルギー源)

エネルギー源の選択は何を求めるかにより変ってきます。電気は安全性と使いやすさから選択されますが、IHコンロの使い勝手や節電を考えるとガスもあったほうが良い場合もあるようです。
全体の傾向は、オール電化の方向に向かっていましたが、東日本大震災以来見直す人もいるようです。

環境—方位と採光

住まいのどちらが道路に面しているかは、日当たりを考えると重要です。
道路が北側にある場合は、1階は南側に2部屋取れたりするので日当たりが良い場合が多いようです。ところが、間口が小さいと玄関が南にきて、1階の居室は採光があまりよくないことがあります。
また、特に南側の隣接の土地について、古い木造住宅街だったり、空地がある場合は注意が必要です。ビルやマンションになったりする可能性が高いからです。
古来、家相とか言われているものがあり、どちらの方角に台所や便所はいけないと決め付けていますが、冷蔵庫や換気扇の無い時代のものです。しかし気になる人にとっては、それを基に考えたら良いでしょう。参考までに方位盤を見て調べてみてください(家相に合わない場合はお払いしてもらうこともお願いできるようです)。

防犯・防災

住まいの安全として、防犯は大事な要素です。かつては「長屋」があり、「人の目」が侵入者を防いでいましたが、現在では町内会などを通じて、できるだけ親密な人間関係を築いておきたいものです。

施行の状態

【施工の良し悪し】=【建設会社の大きさ】ではありません。それらを見極めるのは難しいですが、例えば、床の水平具合や建具の閉まり具合などで判断できます。床の傾きなどはパチンコ玉、丸い鉛筆(赤鉛筆)などあるとわかりやすいでしょう。パチンコ玉は転がっても、赤鉛筆が転がらなければOKでしょう。
こんなところもチェックポイント その②

◆傾斜地の住宅の安全性は?
傾斜地の住宅の場合は、平らな敷地にするために片方を削ってその土を低いほうに盛って造成するのが一般的です。この場合、土留めの擁壁が必要となり、コンクリートやブロック積みを使います。急いだ工事の場合は、土が充分に締め固められないままに建物の基礎が施工されて、建物の重さで片方に沈んできたりします。
中古の住宅の場合はその結果が出ているので傾斜地の場合は床レベルや建具の閉まり具合など注意して見ましょう。

傾斜地の造成断面
こんなところもチェックポイント その③

◆仲介している不動産会社は大丈夫?
仲介している不動産会社を他社と比較・チェックして信頼できるパートナーかどうか見極めましょう。

◆営業担当者は信頼できる?
同様に、営業担当者についても、よく観察してみましょう。


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