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【中古住宅を買う①】 中古マンション購入の基礎知識

住まいを購入することは、生涯のなかで大きなイベントです。
新築住宅だけを対象に考えている人もいらっしゃるでしょうが、資金的に中古住宅を探している人も多いかと思います。
中古住宅は、新築と比べて、価格が安い、同じ価格の新築よりも広い住まいを購入できる、現物を目で確認したうえで購入できる、などのメリットがあります。
ここでは、中古マンションを購入する際に気をつけたいことをみていきますが、新築マンションにも共通することがありますので、住まいの購入を予定している人は、是非ご覧ください。

中古マンションを購入するときは、さまざまな角度でチェック

中古マンションは安ければそれでよいということではありません。中古住宅を購入するということは、「安さ」の裏側にある中古ならではのデメリットを、どれくらい受け入れられるかということです。
少しでも有意義な購入をするためにも、さまざまな視点からチェックすることが大切です。

1.何を条件に探す?
2.ソフト面から考える
3.ハード面から考える

1.何を条件に探す?

中古マンションを探すときには、まず、いろいろな条件を自分なりに整理して、優先順位を付けてみましょう。そうすることで、選択基準が決まってきますので、物件を絞り込むことができます。また、不動産屋に条件を提示する場合にも便利です。

【選択条件のいろいろ】
  • ○予算・・・・・・・・・・・・住宅ローン、自己資金など
  • ○地域・・・・・・・・・・・・通学、通勤、保育所の便など
  • ○部屋数と間取り・・・将来の生活設計、買い替え計画などによる
  • ○生活の利便性・・・・買い物など
  • ○設備・・・・・・・・・・・・熱源、冷暖房システム、キッチン設備、浴室設備など
  • ○築年数・・・・・・・・・・建物の耐用年数も合わせて考慮
  • ○駐車場・・・・・・・・・・設置の有無
など
地価から資産価値の検討してみる
区分所有の場合はその住戸の持分比(総住戸の専有面積合計に対するその住戸の専有面積の割合)が決まっています。例えば、全体の敷地面積が1,000坪で、1.71%を区分所有する場合、1,000x1.71%=17.1坪が土地の所有分になります。その土地の地価が150万円/坪とすると 150万円x17.1坪=2,565万円が土地分の資産になります。この価格とそのマンションの売値を比較するのも中古として高いのか安いのかの判断段材料になります。
また、建築時の容積率が変わって増えている場合や、建築基準法が変って共用部分の廊下などが容積対象から外されたこともあるので、そのようなマンションは建替えをすると、専有面積が増えます。ただし、マンションの建替えは今のところあまり行われてはいないのが現状です。多数の同意がなかなか得られにくいからです。

※マンションは区分所有といって、住戸の専有面積で土地の割合を所有する形をとります。これは、永久の所有権ですが、定期借地という形式で、50年間だけの所有権付というのもあり、都心部などではマンションの価格を抑えることが出来ます。従って、中古で購入する場合はあと何年残っているか確認しましょう。


2.ソフト面から考える
中古マンションを、自分の資金計画やマンションの管理形式、立地などのソフト面から考えてみます。

資金計画

新規購入の場合はローンを組む場合が普通ですが、中古マンションの場合も、一括払い・ローン返済のどちらでも無理のない返済計画かチェックしましょう。その場合、管理費、駐車、駐輪代なども含めて考慮しましょう。 マンションは購入費用を支払ってしまえば、その後は「ただ」で住めると思うと間違いです。管理費と言って、エレベーターの維持費や清掃費や修繕積立金などが毎月掛かります。15,000円から場合によっては4〜5万円掛かることもあります。

※新規購入の場合は、新築・中古別に所得税の特別控除を受けることができます。
※購入の前に土地や建物を売却している場合は、分離課税を計算する上で譲渡所得に対する特別控除を受けることができます。

管理形式

■管理組合
通常、マンションには管理組合があります。数人の理事を選任して、年1回総会を開き決算報告、意見交換を行い、その年の修繕項目などについて議決します。
管理組合は、区分所有の権利者が組合員で、住宅に限らず、店舗などの部分の所有者もこのメンバーとなります。組合のなかには法人化されたものもあります。

■管理規約
マンションは固有の管理規約を制定し、それに基づき議決などを行います。住戸の大小にかかわらず議決権は各戸1票が普通です。

■管理人
規模の大きいマンションは、管理室に管理人が常駐しています。また、管理人が常駐していなくても、オートロック形式でエントランスホールに鍵が掛かり住人を呼び出さないと中に入れないよう、セキュリティ対策をとっているところもあります。

立地と周辺環境

■通勤、通学の便
通勤、通学の便をチェックしましょう。バスの運行時間や自転車の駅前駐輪場の位置も要チェック事項です。また、小さい子のいる共働きの場合は保育所の有無と位置も要チェックです。

■前面道路の状態
前面道路の状態も大事な要素です。幹線道路の場合は、夜間の騒音も気をつける必要があります。また、歩道の有無も要チェックです。

■騒音など
大きな道路際、線路沿いなど、窓を開放できないほどの騒音がある場合は、日常生活のなかで必ず問題が出てきます。 周辺環境は一度ではわからないので、時間帯を変えて周辺を歩いて見ることが重要です。天気や季節、時間帯ごとにまったく違って感じるものです。

こんなところもチェックポイント その①
◆清掃状態をチェック
共用部分の清潔感もチェックしましょう。廊下にゴミは落ちていないか?ガムなどの付着物は無いか?ゴミ集積場は?これらは、メンテナンスの問題もありますが、今住んでいる住人のバロメーターになります。

◆他の所有者をチェック
郊外型のマンションは所有者と入居者が同じ場合が多いのですが、都心型は投資用のマンションも多いので自分たちの住まい方、考え方と合わせて考慮することが大事です。
投資用のマンションの場合は、所有者と入居者が違います。従って、次に誰が入ってくるのかはわかりません。

◆保証期間をチェック
新築の物件は10年の保証が義務付けられていますが、中古の物件にはありません。従って、保証期間はどうなっているかは、不動産屋に確認しておきましょう。

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3.ハード面から考える
中古マンションを、構造や築年数、間取りなどのハード面から考えてみます。

構造

大地震が警戒される昨今では、中古マンションと言え、その構造、特に地震に対する構造は大事なチェックポイントです。
高層のマンションはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造ですが、一般のマンションはRC(鉄筋コンクリート)造です。
地震対策として免震構造と言われるものがあります。これは、地震の揺れを基礎部で吸収して、上に伝えなくします。また、制震構造といって揺れを重石などで吸収して全体の揺れを少なくする構造もあります。これは高層のマンションなどに採用されています。
構造形式では他に、S(鉄骨)造があります。建設コスト的には優位ですが、揺れが大きい事や、遮音性能に劣るので分譲型のマンションでは少なくなっています。

■免震構造
基礎部分のバネやゴムで建物に振動を伝えないようになっています。柱は地震力を受けないので細くすることができます。

 

※右の【地震】をクリックすると動画が再生され、もう一度クリックすると停止します。


■制震構造

上部の錘(おもり)で建物の振動を抑えます。「だるま落とし」の原理で、地震のときも建物は動いても上部の錘は動かないので揺れを抑制することができます


 

※右の【地震】をクリックすると動画が再生され、もう一度クリックすると停止します。


築年数

建ててからどのくらい経っているかは、重要なチェックポイントのひとつです。この築年数による価値を見極めるときに参考になるのが、耐用年数と耐震設計です。

■耐用年数
RC(鉄筋コンクリート)造の場合は60年と言われていますが、しっかり造られた物は100年を超えて持ちます。ただし、耐用年数までは猶予があっても、築年数が古くなるほどリフォームの必要性も高くなりますので、リフォーム費用も入れると、新築よりも割高になってしまう場合もあります。

■耐震設計
わが国の建築基準法は大きな地震がある度に構造の基準の見直しをしてきました。従って、その建物が造られた年代によって基準が違います。いわゆる、新耐震かどうかは重要なポイントです。


耐震基準の見直しの歴史

◆昭和25年:建築基準法が制定された。大正12年に起こった関東大震災を踏まえて耐震強度が設定された(旧基準)。
◆昭和56年:十勝沖地震などの見直しにより、新耐震基準が制定された(新耐震)。
◆平成12年:基準法の見直しにより、阪神淡路の震災や耐震偽装を考慮した改正が行われた。

従って、昭和56年以降の建物であるかどうかは重要なチェックポイントです。ただし、地震に関しては構造形式も重要です。それ以前の建物でも、壁式鉄筋コンクリート造*1の場合は比較的安全です。一方、ラーメン式鉄筋コンクリート造*2は昭和56年以降の物の方が安全です。

*1壁式鉄筋コンクリート造
壁が構造体になっている建物。従って、柱は無いので室内はスッキリして使い勝手が良い。 ただし、中高層の建物は難しいので、4〜5階程度が一般的。
壁構造 壁が構造体
*2ラーメン式鉄筋コンクリート造
柱と梁で構成される建物。ラーメン(ドイツ語:Rahmen)は「額縁、枠組み」を意味する。多くのマンションがこの形式を採用している。4〜6本の柱で1つの住戸を構成して細かい部屋割りは自由にできる。部屋の中に柱型を出さない(柱を部屋の外にもっていく)タイプのマンション等も見かける。
柱と梁で構成

間取り

部屋数と配置を、家族のライフスタイルと比べて、日当りや動線からチェックします。
また、将来の家族構成も考慮したいものですが、子供の学校や保育所の問題が無ければ、その時は買い換えるというのも方法です。
中古マンションの場合は、リフォームして自分のライフスタイルに間取りを合わせることも可能です(リフォームする時は、管理規約などで、できることとできないことがあるので注意しましょう)。

遮 音

構造的には、RC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造が遮音性能は高くなっています。S(鉄骨)造は遮音性能が劣るので、賃貸では使われますが、分譲物件ではあまり見かけません。
隣接する住戸との戸境壁は建築基準法で一定の遮音性能を考慮して、構造が規定されています。RC(鉄筋コンクリート)造のマンションはそれを上回るものが多いのでそれほど気にすることはありません。
左右上下の住まいのピアノなどの楽器やペットの飼育がどうなっているかもチェックできればいいのですが、フローリングの材料が遮音性のものを使っていればある程度安心です(多少フワフワした足ざわりのフローリングが遮音フローリングというものです)。

設備(エネルギー源)

エネルギー源の選択は何を求めるかにより変ってきます。電気は安全性と使いやすさから選択されますが、IHコンロの使い勝手や節電を考えるとガスもあったほうがいい場合もあるようです。
全体の傾向は、オール電化の方向に向かっていましたが、東日本大震災以来見直す人もいるようです。

環 境

■方位と採光
主採光面がどの方位になるかは、日当たりの点で重要です。住戸が東向きか西向きかのマンションの場合、朝日を優先するか(午前中の日当たり)、夕日を採るか(午後の日当たり)で迷うところです。あとは、眺望が問題となります。

■空き地の有無
特に南側の隣接の土地について、古い木造住宅街だったり、空地がある場合は注意が必要です。ビルやマンションになったりする可能性が高いからです。

防犯・防災

住まいの安全として、防犯は大事な要素です。自動的にオートロックがかかるものが最近の傾向ですが、昔の長屋を考えるとき、マンション全体がコミュニティーのように人間関係が密になっていれば、これも防犯上有効です。

施行の状態

【施工の良し悪し】=【建設会社の大きさ】ではありません。それらを見極めるのは難しいですが、例えば、床の水平具合や建具の閉まり具合などで判断できます。床の傾きなどはパチンコ玉、丸い鉛筆(赤鉛筆)などあるとわかりやすいでしょう。パチンコ玉は転がっても、赤鉛筆が転がらなければOKでしょう。
また、浴室はほとんどがユニットバスですが、その場合、天井に四角い枠が付いているので、それを押し上げると外れます。そうすると、コンクリートの床(天井)が見えます。そのコンクリートの状態から施工の良し悪しが見えてきます。万一、そこが湿っているようなら、上の階からの漏水の可能性が高いので要注意です。
また、押入れの天井などの見えない部分に漏水跡など無いかも、チェックしましょう。
こんなところもチェックポイント その②

◆共用部分をチェック
次の設備等はありますか? また清掃・管理は行き届いていますか?
□共用室 □管理室と管理人 □EV □廊下 □階段 □駐車場 □駐輪場 □ゴミ置き場 □郵便BOX □宅配BOX


こんなところもチェックポイント その③

◆仲介している不動産会社は大丈夫?
仲介している不動産会社を他社と比較・チェックして信頼できるパートナーかどうか見極めましょう。

◆営業担当者は信頼できる?
同様に、営業担当者についても、よく観察してみましょう。


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