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【ハウスキーピング】 自分でできるハウスキーピング

最近、ハウスキーピング用の道具が手に入れやすくなりました。わざわざプロに頼まなくても、気づいたときに気軽に自分でハウスキーピングをしてみませんか?

自分でできるものから始めてみる

自分でできるハウスキーピングのなかから、今回は塗装、フローリングの傷直し及び網戸の張替えをご紹介します。予算や技術面において、無理なく自分でできることから始めてみましょう。

1.塗装 — まずは水性のペンキから慣れる
2.フローリングの傷直し — 傷の状態を見きわめる
3.網戸の張替え — やってみると意外と簡単

1.塗装—まずは水性のペンキから慣れる

塗料の基礎知識

塗装に入る前に塗料について知っておきましょう。塗料は、大きく分けて油性と水性があります。
ペンキは色素が溶剤という液体に溶けていますが、液体がシンナーや油などの場合が油性で、水の場合が水性です。
油性は皮膜が強く耐水性に優れているのですが、作業中は換気が必要だったり、手に付着した場合はシンナーでふき取らなければならないなど、扱いが難しく後始末が大変なことが難点です。また、溶剤の素材により乾く時間が異なります。シンナーは揮発性で直ぐ乾きますが、テレピン油、ボイル油などの場合は油脂が乾くまで時間が掛かります。さらに、油性の場合は、粘度が高く粘り気があるので刷毛も腰の強い物が必要です。刷毛を洗うにもシンナーが必要です。
一方で水性は扱いやすく、刷毛を洗うときも水洗いだけで済みます。水性といっても、乾けば雨などの水に流れたり滲んだりすることはなく、仕上がりも油性とほとんど変わりありません。
このような点を考慮すると、初めての塗装は水性を使い、慣れていくのがよいでしょう。

塗装は養生が大切

塗装の出来は、養生50%、塗装50%で決まります。養生とは他にペンキが付かないようにテープやシートでマスキングすることです。養生なしにいきなり塗り始めると、床を汚したりして厄介なことになります。養生をしっかり行えば、後は楽に出来上がっていきます。

養生の仕方

養生は専用の紙テープ(オレンジ又はブルー)か専用のガムテープ、ビニールシート、またはシートの端にテープの付いたものなどを使います。床面などの養生にはブルーシートなどを敷いたりします。紙テープは手で切れますが、直線に切るのは困難ですので、手でも直線的に切れるガムテープが便利です。いずれの場合も後で剥がすので途中で切らずにぐるりと貼るほうがよいでしょう。

刷毛、ローラー

塗装には刷毛やローラーを使います。どちらも、塗料を塗る面に「運ぶ」のと「伸ばす」のが道具の役割と思ってください。「運ぶ」時は垂れないようにして置いていくようにして、「伸ばす」時は強く長く引くようにして均一にならしていきます。刷毛の場合は引いたときの感触で塗料の付き具合がわかります。

塗装の道具

道 具 使い方 道具の写真
シーラー 下地処理で、塗料の接着を良くするための液体(半透明タイプ、乳白色タイプ)。ローラーで塗ります。
水性塗料 水で薄めるタイプの塗料。乾くと耐水性があり、住まいの外部にも使えます。艶有りタイプ(家具などに)と艶無しタイプ(室内の壁などに)があります。
※水性塗料の上に油性塗料を重ね塗りすることは避けたほうがよいでしょう。
油性塗料 シンナーなどで薄めるタイプの塗料。シンナータイプは即乾性があり、皮膜が強いので、傷が付きにくくなります。鉄部の塗装には油性塗料を使います。OP(オイルペイント)、調合油性樹脂塗料などとも呼ばれます。
※油性塗料の上に重ね塗りをするときは、油性塗料を使うのが基本ですが、水性塗料でも可能です。
刷毛
油性用と水性用がある。油性用のほうが毛が固め。
平刷毛 柄と刷毛部分が直線的につながっており、床やウッドデッキに使います(写真右から2,3番目)
すじかい刷毛 柄と刷毛部分の接合部分に角度があり、壁や細部(窓枠など)に使います(写真左2つ)
掃除刷毛 平刷毛の一種で固めの毛でできています。サンドペーパーで擦った後のゴミを除いたりするのに使います。掃除機と併用して網戸の掃除などにも使えます(写真右)
ローラー塗りの道具 ローラー 長さ20�くらい、直径3�程のものが使いやすいでしょう。ローラーの部分と、心棒、柄は取り外せるので、ローラー部分だけの交換が可能です。
ローラー用
網付バット
ペンキを入れる角型容器で、ローラーを転がしてペンキ量を調整するための網が付いています。
ローラー
延長棒
プラスチック製で、ねじ込み式が手軽です。
皮すき 皮すき(写真左)三味線のバチのような形をしています。刃物ほどではないけれども少し刃が付いており、出っ張りなどをこそげ落とすことができます。皮すきで落ちない場合は、刃が鋭いスクレーバー(写真右)という削り取るのに便利なものもあります。
パテベラ 壁などを塗る前にへこんだ部分をパテでならすときに使います。
プロは木製の柄にステンレスの刃が付いた幅20�程のものを使いますが、一般的にはプラスチック製の柄の幅5〜10�のものが手軽です。

塗装

■外部
道具:養生用のシートとテープなど、ローラー、網付バット、延長棒(1.2m程度のねじ込み式)、刷毛、その他
※延長棒はなくても塗れますが、両手で握れるので疲れません。
塗料:外部用の水性塗料
手順:養生⇒下地調整(汚れなどを取り除きます)⇒下塗り(必要に応じて付着をよくするためにシーラーを塗る)⇒仕上塗り

○ブロック塀
黒ずんで汚れたブロック塀も塗装でよみがえります。何より目立つところなので、気分も一新できます。
粘性の強い塗料などを垂れない程度にたっぷり付けて、ローラーを使って転がしていきます。モルタル目地などの付きにくいところは後にして(刷毛を使って埋めていきますので細かいところはあまり気にしないようにしましょう)、全体がムラにならないようにします。

○ウッドデッキ
天然木のデッキは2〜5年ごとに防腐剤の入った塗料を塗ると長持ちします。
色むらがあるときは、下地に刷毛で部分塗りしておくか、一段濃い色を塗ります。

○外壁
吹付けタイル、モルタル、リシン吹付け(砂状のざらざらした吹付け)などの壁面に塗装してみましょう。
窓や扉、戸袋などを養生シートで覆います。その場合アルミ枠の2〜3�内側で養生テープを貼ることで浸水を防ぐことができます。また、モルタルにクラック(ひび割れ)があるときには、塗装可能な変性シリコンなどでコーキング(溝を埋めること)して浸水を防ぎます。

■内部
道具:養生用のシートとテープなど、すじかい刷毛、その他(床の場合はワックスリムーバー、塗り付け用のワイパーとバットなど)
塗料:場所によって選択(下記)
手順:養生⇒下地調整(汚れなどを取り除きます)⇒下塗り(必要に応じてオイルステインなどで調色)⇒仕上塗り

○床
床の塗装は家具や荷物を他の部屋に移動しなければならないので、時間と労力が必要です。移動しながら塗る方法もありますが、ムラになりやすく効率的でないのでお勧めできません。
塗料はポリウレタンやニス(透明またはあめ色)、オイルステン(色は各種)。ポリウレタンは1液のものと硬化剤と混合する2液タイプがあり、2液のほうが早く乾燥します(30分〜1時間)。ニスは乾燥に4〜5時間必要です。乾燥中に外から埃が入らないように注意。油性のポリウレタンはシンナー溶剤なので作業中は換気に気をつけましょう。

○巾木
巾木は、木製の場合掃除機が当たったりして、塗装が傷付いたりしがちです。木目の出ている塗装のときは床補修のときのように、同色で補修してから、オイルステンなどを掛けます。艶は無いほうが凹みなどの傷は目立ちません。ドア枠のように樹脂のシートを張った巾木は塗装には向きません。その場合は、糊付きシート(カッティングシート)などを貼るとよいでしょう。
塗料はウレタンやオイルステン(油性、水性)、水性塗料を使います。

○壁
壁の塗装は今までの塗装と同じ場合と、漆喰の上に塗る場合などが考えられます(繊維壁の場合は塗装は困難です。ジュラク壁(砂壁)はシーラーを掛ければ塗装も可能です)。
塗料は水性タイプ(艶消し)を使います。最初に刷毛で天井際や巾木近辺を5cm位塗っておき、その後ローラーで塗ります。隅などもローラーでは塗りにくいので刷毛で塗っておくとよいでしょう。ムラになった所は、ローラーを網目でよくしごいてから修正します。

○窓枠
天然木の窓枠は、オイルステンやOPが塗られているので塗装可能ですが、既成の窓枠は、ほとんどが圧縮繊維の芯にシートを張ったものが使用されており、塗装できません。
塗料はOPやオイルステン(OPに水性の外部用塗料を乗せることはできますがサンドペーパーを掛けてからがよいでしょう)を使います。養生テープは仕上がったら乾く前に剥がしましょう。新聞紙を丸めてそこにテープを巻き取っていけば塗料が付かずに剥がせます。

2.フローリングの傷直し—傷の状態を見きわめる

傷の状態により補修剤が異なる

床の傷は表面の部分の擦り傷の場合と塗装面がへこんだだけものと、削られたもので補修材が違います。
表面の擦り傷の場合は白っぽく目立ちますが、ワックスを掛ければほとんど目立たなくなります。へこんだだけの場合は透明の樹脂で埋めます。削られたものは調色した樹脂で埋めます。クレヨンタイプの樹脂は透明なものが無いので、へこんだだけの場合も色合わせが必要です。

■擦り傷のワックス補修


左はワックスの前、右はワックス後です(へこんだ傷は消えません)。

■へこみや削られた傷の補修

・クレヨンタイプ
浅い傷を簡単に埋めるときに使います。扱いやすいのですが、耐久性は劣ります。


・電気ゴテ付きのセット
深い傷を直すときや、耐久性を求めるときに使います。高温で溶かすタイプなので頑丈です。


・ウッドパテ
敷居と床材などが接するところにできた隙間を埋めるときに使います。ヘラで摺りこむタイプで簡単ですが、調色はステインなどの塗料で行います。左はアクリル樹脂タイプ。右はエポキシ系(硬化剤と2つ)で練り合わせて使います。強度はエポキシ系のほうが優れています。

手順


①下地調整
床面より飛び出している部分はカッターで削っておきます。

②補修
クレヨンの場合は、多めに塗りつけてプラスチックの定規の角などで削ぎ落とします。電気ゴテの場合は樹脂を溶かしながら調色して多めに塗りつけて、最後に電気ゴテで余盛を取ります。
       
クレヨンタイプの削ぎ落とし        
   
電気ゴテで樹脂を溶かす 耐熱ワックスを塗る 余盛を削ぎ落とす


③仕上げ
光りすぎる場合はサンドペーパーやスチールウールでこすって、艶を消します。更に、ワックスを掛けます。

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3.網戸の張替え—やってみると意外と簡単

網の種類

■材質

メッシュの細かさは18から50(通常は18)まであり、1インチ角の中に線がいくつあるかを示しています(数字が大きいほど細かくなっています)。材料は通常サランネット(樹脂製)ですが、ステンレスメッシュのものもあります。ステンレスメッシュは強度がありますが、カットするのが難しいのでプロにお任せしましょう。

■色

グレーが一般的ですが、黒色は中から見たとき網戸の存在感が少なく外が綺麗に見えます。また、表が銀色で内側が黒というものもあり、外から中が見えにくく、内からは外が綺麗に見えます。
左が黒(外の色が鮮明)、右がグレー(少し色がぼやける)のものです。
■押さえゴムの太さ
押さえゴムは直径2.8mm、3.5mm、4.5mm、5.5mm、6.8mmのものがあります。サイズが合わないと固定できませんので、ゴムのサイズは正確に測りましょう。
ゴムがひび割れたりしているときは、新しいものに換えましょう。

張替えの手順

①網戸を外す
網戸は脱落防止のためにストッパーが付いているので襖のように簡単には外れません。アルミ枠の上部の側面または小口(枠に当たる面)の上のほうに樹脂製のストッパーがビスで固定されています。このビスを緩めるとストッパーが動くので下にずらします。両側に付いているので、ストッパーを下げると網戸は外れます。
 
側面タイプ   小口タイプ
(バネで上下する。見えているビスは枠を組み立てている物)
②網を外す
網は押さえゴムでアルミの溝に止めてあります。切り口を見つけてローラーのとんがり部分などで引っ張り出し、後は手で引っ張り、ゴムを外せば古い網は外れます。アルミ枠を洗うときは歯ブラシなどを使って洗剤で洗い、水洗いをしましょう。

③網を張る
アルミ枠を床において、新しい網を上から被せて、ガムテープなどで固定します。押さえゴムをローラーで押し込んで一回りしてゴムをカッターやハサミで切ります。ローラーは内側に当てて押し込むとピンと張れます。最後に余った網の部分をカッターで切り完成です。
     
ガムテープで押さえる ローラーで押し込む カッターで切る 出来上り

次回は、プロが教える水廻りなどハウスキーピングのコツを掲載します。

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