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【ハウスキーピング】 ハウスキーピングの基礎知識

大切な住まいを、できるだけ良い状態で長く維持するためには、ハウスキーピングが大切です。ハウスキーピングといっても、掃除から補修までさまざまです。まずは目についたところからはじめ、長い目で計画を立ててはいかがでしょうか。

自分でできるものから始めてみる

ハウスキーピングには、自分でできるものとプロの技術に委ねたほうがきれいにできるものがあります。最近ではDIY(Do It Yourself)の考え方も浸透し、ハウスキーピング用の道具も簡単に手に入れることができます。まずは自分でできることから始めてみてはいかがでしょうか?

1.ハウスキーピングとは?
2.主なハウスキーピング
3.基本の道具・・・自分で行うハウスキーピングは道具選びから

1.断熱で外気の影響をシャット

ハウスキーピングとは?

ハウスキーピングとは本来、主に住まいの「掃除」を意味しますが、ここでは広く「補修(改修)」なども含めて考えていきます。簡単なトイレや浴室タイルの清掃から技術が必要なエアコンのクリーニング、モルタルの汚れ落とし、また、壁やブロック塀の補修まで、住まいを維持するための作業すべてがハウスキーピングです。

ハウスキーピングはなぜ必要?

住まいは使っているうちに老朽化してきます。そこで時期をみて手入れをすることで、ある程度住まいを生き返らせ、寿命を延ばすことができるのです。
例えば、ペンキは雨風や日光にさらされて劣化していきます。外壁の場合は5〜8年くらいで塗り替えることをお奨めします。 また、手を入れるついでに、使い勝手の悪いところも直していけば、さらに快適な住まいをつくることができます。

2.主なハウスキーピング

道具と知識と根気があれば自分でできる

ハウスキーピングはもちろんプロの手に委ねればきれいに仕上がりますが、道具と知識があればある程度自分でもできるものがあります。ただし、根気が必要です。 特殊な工具や機械を使うものはプロに依頼したほうがよいかも知れません。

【ハウスクリーニングの例】
項 目 仕 様
エアコンのクリーニング
何年か使ったエアコンはタバコやカビの臭いが付着しています。
温風や冷風はフィルターの奥のアルミのフィンを通ってきます。 このアルミのフィンが汚れて黒ずんでくるといやな匂いがするようになります。
液が垂れないようにエアコン全体をビニールで覆ってから(養生)、 洗剤または高圧洗浄機でフィンの間を洗浄します。
トイレの清掃(1) 便器の尿石除去
便器に尿石がつくと、洗剤を使ってこすってもなかなかきれいになりません。

尿石のついた便器
①尿石を除去
耐水ペーパー(目が粗めの200番くらい)を使って尿石を落とします。 耐水ペーパーは目が粗いほうが汚れはきれいになりますが、 目が細かいほうが便器に傷がつきにくいので、見極めが大切です。

耐水ペーパーで磨いた便器
②止水してから排水
ドライバーでタンクのバルブを閉めて止水してからタンクの水を流します。

ドライバーで閉めて止水する
③防汚コーティング・除菌剤
便器が乾いたら、防汚コーティングスプレーをかけます。 必ず時間をおいてから、さらに便器を乾かして塩素系等の除菌剤をスプレーすると新品同様になります。
トイレの清掃(2)パイプの清掃・交換
クロームめっきの蛇口やパイプ類はくすんできますが、時間のたったものでもきれいになります。
金属部分に酸性の洗剤をつけた布で拭き、水拭きをした後、乾いた布で拭き取ります。
フローリングの清掃
フローリングに染み込んだ汚れをきれいにすることで、部屋全体が明るくなります。
●塗装仕上げのフローリングの場合
水溶性の洗剤をかけ、しばらく置いてから細かい毛のブラシ(歯ブラシでも代用可)でこすり、きれいな雑巾でふき取ります。

●ワックス仕上げのフローリングの場合
ワックスだけで仕上げてあるフローリングはワックスリムーバーをかけて汚れたワックスを剥がし、 再度ワックスで仕上げます。
浴室床タイルの清掃
浴室の床は水垢や石鹸カス、カビなどにより結構汚れています。
強い酸性の塩素系洗剤を使います。金属は変色してしまうので目皿等は外して作業します。
天井埋め込み換気扇のクリーニング
天井に埋め込まれた換気扇はシロッコファンというタイプのものが多く、 羽が円盤のなかにあって掃除がしにくくなっています。
羽を外してから洗剤を使って掃除します。
電気の端子には十分注意して、ブレーカーは切っておいたほうがよいでしょう。
①外側のカバーを外します。
②羽は、天井羽を覆っているプラスチックカバーの奥のほうのビス(3本くらい)を外し、下に引いて取り外します。
③回転羽を取り外します。
④次にドーナツ状の回転羽の中心にある逆ネジを外します (一般のネジとは回す方向が逆なので注意してください)。
⑤回転羽は汚れを歯ブラシ等でこすりながら掃除機で吸い込み、最後に水洗いします。

網戸の掃除または張替え
網戸の外し方さえマスターすれば自分でも十分できます。
プラス(+)のドライバーを使って網戸を外し、塗装用の刷毛と洗剤で掃除します。
レンジの汚れ落とし
レンジに付着した油汚れはかなり強力です。
強力な洗剤を使って掃除します。
フィルターに固まった油脂は洗剤を入れた容器に入れて漬け置きします(または流しに栓をして利用します)。
雨で汚れた透明ガラス
雨などでまだらに曇ってしまった透明ガラスは普通に拭いてもすっきりしません。
ダイヤモンド研磨剤のついたスポンジでこすり、汚れを落とします。

 ←コンパウンド(研磨剤)とそれをつけて磨くためのスポンジ

 ←普通の研磨剤付のスポンジ


モルタルの汚れ落とし
モルタルは、雨のかかるところは特に汚れてきます。
高圧洗浄機により水だけできれいにします。
外壁などの塗り替えの際には、まずシートで養生してから高圧洗浄し、シーラー(塗装の付着をよくする下塗り)をかけて、2回ほど仕上塗装をします。


補修の例
項 目 仕 様
耐震防止対策
地震による家具転倒を防止するために、家具などを固定したり、 個別の家具を壁に作り付けにしてスペースを広げ、避難経路を確保したりします。
  • 本棚をL型金具でネジ止めして床に固定する。
  • 照明器具に補助ひもを取り付けて落下しにくくする。
  • 食器棚を壁に作り付けにする。
など
ネジの締め直し
ネジの緩んだドアや収納扉は使い勝手が悪いだけではなく、思わぬ事故につながりやすいので、小まめに点検します。
  • 居室のドアの緩んだネジを締め直す。
  • キッチンの収納扉の緩んだネジを締めなおす。
など
サイズや高さの調整
開閉がしにくくなったドアや納まりの悪い家具などのサイズや高さを、鉋やサンドペーパーで削って調整します。
  • 開閉しにくくなったドアを少し削ったり、引き戸のレール部分を少し削ったりして、動きをスムースにする。
  • ほんのわずかな厚みで入らない隙間家具の厚さを少し削ってサイズを調整する。
など
塗装の仕上げ
リニューアルのために塗装材を塗っても、それだけでは仕上がりが滑らかではありません。 目の細かいサンドペーパーなどで表面をきれいにします。
  • 塗装材を塗った居室のドアにサンドペーパーをかけて、表面を滑らかにする。
  • 塗装を塗り替えた椅子にサンドペーパーをかけて、表面を滑らかにする。
処分品の解体
家具のリニューアルなどで不要になった物をパーツにわけ処分しやすいようにします。
  • 作り付けにした食器棚の代わりに不要になった以前の食器棚のネジを外し、鋸で断裁する。

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3.基本の道具・・・自分で行うハウスキーピングは道具選びから
ハウスキーピングを自分で行うときには、できるだけ自分にあった使いやすい道具を選ぶことが大切です。価格も仕様もさまざまですので、お店の人に相談しながら選びましょう。

手動工具

●ドライバーとビス(ネジ)

<上>軸の両端が+と−になっている
<下>小さな+ねじ用のドライバー
プラスとマイナスの2種類が日本では一般的ですが、プラスがお奨めです。プラスのほうが締めるときに横ずれしないで、緩めるときも溝がつぶれにくいからです。
ビスについては鉄にクロームメッキをした物(ユニクローム)、ステンレス製、真鍮製のものがありますが、硬くて溝がつぶれにくいのはステンレス製です。ユニクロームは場所によっては錆びてくることもあります。
●金槌

<上>和物
<下>洋物(和洋折衷)
釘抜き付の洋物と、両面打てる和物の2種類があります。両面の和物は片方が平面、 片方が凸面になっていて最後に釘の頭をめり込ませるときにこちらを使います。 でも、釘よりはビスがお奨めです。ビスのほうが簡単で緩まないでしっかり止められるからです。 これに代わるものとしては、ホッチキスのような道具があります。 タッカーと呼ばれるもので、ハンドルを引くとU字型の針が出て木に突き刺さります。 手動ですが、連続的に打てるので便利です。ただし、針の長さは1cm位までなので、 薄ベニヤ板(2.5〜4mm)を張るときなどに便利です。

●カッター
大型(刃の巾18mm)と小型(刃の巾9mm)がありますが、大型を使います。 ベニヤ板の5mm位の厚さまではカッターでも充分切れます。石膏ボードもカッターで切れます。
●鋸

<上>古来からの鋸(縦引き・横引き)
<下>替え刃式
鋸は、「使い捨て」の替え刃式鋸がいちばんお奨めです。 かつて「目立て」が主流だった時代は、両刃の鋭いほうの目を板目に直角方向を切るときに使い、 もう一方は縦目を切るときに使い、長持ちさせていましたが、「使い捨て」の刃は横目1種類のみに使えます。 24cm (8寸)・中目タイプが職人の間では一番よく使われています。鋸はこれ1本で充分でしょう。
●釘抜き(かじや、バール)

<上>大型の解体用バール
<中・下>和式のかじや
和物の釘抜きのことを「かじや」といい、洋物は「バール」と言います。 最初に釘はなるべく使わないように書きましたが、既存の造作を扱う時には必要な道具です。 その場合当然、釘の頭は板と同じ面までめり込んでいるので、金槌で叩きながら釘の頭を引っ掛けて、 テコの原理で抜きます。
●サンドペーパー
馴染みがあるのは木工用の茶色い紙ヤスリでしょう。 他には耐水ペーパー(グレー色)、布ベースのペーパー、網目状のペーパーやスポンジ状のものなどもあります。 目の荒さ(細かさ)を示す番号は、次を目安にして下さい。
50〜100 番 : 荒削り。
200番    : 中間(これだけでも十分きれいに仕上がります)
400〜800番: 仕上げに使います。
多くの場合ペーパーをかける面は平面なので親指をあてて擦っていたのでは歪んでしまううえに、 非常に疲れます。そこで、接着剤が裏に付いたロール状のものが使い易くお奨めです。 取っ手が付いた専用のプラスチック台(ステイ)にセットして使うのがよいのですが、 ステイは平らな板に取っ手をつけて自分で作ることもできます。

電動工具

  価格 能力など 付属品
充電式のドリルドライバー
手動のネジ回しは、押し付ける力と、 回すカと両方のバランスがとれていないとうまく入っていきません。 これに対して電動ドライバーの場合は、押すカだけに集中すればよいので慣れない人にも簡単です。 ただし、最後締まった時に反動があるので、手首を痛めないように気をつける必要があります。 慣れてくれば肘の力をゆるめて反動をかわしたり、ちょうどよいタイミングでスイッチが切れるようになります。
4,000〜10,000円 電池のボルト数には4. 8V、7.2V、 9.6V、12V、15Vなどがあり、ボルト数が大きくなるほど力が強くなると考えてください。 充電時間は30分程度です。
7.2V以上あれば普通のビスは大体締められますが、 木に1cm以上の穴を連続的に開けるのであれば、12Vがお奨めです。
※最近はより締め付ける力を増したインパクトドライバーを使うことが多くなっています。 振動の力を加えることにより叩きながらネジを回すので強力ですが、その分、音がかなり出ます。 従って家庭で使うにはお奨めしません。
①ドライバービット
10 cmほどの長さの両端がドライバーになった物が使いやすいでしょう。
締め付ける場所が狭い時は短い物でもよいのですが、 普段はこのくらい長さあったほうがビスの締まっていく状態が見やすいのでよいでしょう。

②ドリルビット
ビスを打つ前に先穴を開けるのに使います。板が割れないように、 3.0mm程度 (使うビス径より小さい)のドリルビットを使って穴を開けた上でビスをねじ込むとよいでしょう。 このタイプは金属用と木工用がありますが両用できる金属用がお奨めです。

③木栓穴開け用錐(キリ)
ビスの頭を隠すための木栓穴を開ける時に必要になるのが9mmの木工専用の錐です。 先端は細いネジ状の突起になっていて位置決めがしやすいようになっています。 棚ダボ(メス)を埋め込むときに使います。
●振動ドリル
コンクリートやタイルに穴を開けてビスを入れるときに使います。 充電式もありますが、コード付のもが手軽で安価です。
10,000〜20,000円 開ける穴の径を最大いくつに想定するかによって、振動ドリルも変わってきます。
家庭用の振動ドリルでは、10mm〜13mmが使いやすいでしょう。
先端に付けるビットは、コンクリート用、タイル用などがあります。
本体のメーカーと異なると接続できないことがありますので、注意しましょう。
●電動ジグソー
丸鋸は危険ですが、ジグソーはプロでなくても使えます。切り口は鋸で切ったものに比べると荒くなります。 曲線に切りたいときは、手動の糸鋸を使います。
5,000〜10,000円 能力は切るものの厚さによって異なります。 家庭で使うには、木材50mm、鉄板3mmが切れるものであれば十分でしょう。

刃は木工用と金属用などがあります。

●ベビーサンダー
電動やすり。 外での作業や1部屋丸ごと改装の場合などは粉塵を気にせずに作業できるので便利です。 塗装のパテの削り取りや板の仕上げ作業などに。
4,000〜8,000円 能力は振動する回数や電気のワット数で表されます。
家庭で使うには1分間に10,000回、ワット数で200Wくらいが適当です。
取り付けるサンドペーパーは、木工用のものが使えます。
次回は、自分でできるハウスキーピングを詳しく解説します。

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