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【食を楽しむ②】食レポ〜500円ランチ


必ず一定額の出費が見込まれる食費。一方で、家賃や水道・光熱費といった費用に比べて、自分の努力次第で出費を抑えやすいのもまた食費です。
なかでも、毎月欠かさず出ていく出費としてランチ代(昼食代)が占める割合は大きく、節約するならこの部分!と考えている人も多いはず。「節約のためにお弁当を作ってきた」「今月結構お金を使ってしまったから今日はコンビニでさくっと…」といった会話もよく耳にしますよね。時には贅沢もありだけれど、日々のランチ代はなるべく抑えたい、これが多くの人の本音ではないでしょうか? そこで今回は、ランチ代を節約するうえで、救世主となるワンコインランチについてお話したいと思います。

1.平均予算は600円前後

ランチ代はますます節約傾向

ランチ代を節約する際の選択肢として考えられるのが、『お弁当持参パターン』か『外食代を下げるパターン』のどちらかです。そもそも外食にかける平均予算ってどれくらいなのでしょうか? 下表のような統計結果があり、これだと男性が603円。女性が681円(昨年よりも男性は約2円、女性は約4円ダウン)。

■表 「外食」「中食」の平均予算は?
性別 今年 去年
外食※1 男性 603.21円 600.73円
女性 680.69円 684.79円
中食※2 男性 473.62円 484.49円
女性 451.76円 455.09円

※1 外食:食堂、レストラン、ファーストフードや喫茶店(カフェ)など一般に「飲食店」と呼ばれる場所で食事をとること。
※2 中食:出前(デリバリー)による調理済みものやコンビニやスーパー、惣菜店などで購入した出来合いの物で自宅や勤務先などで食事をすること。

巷では800〜1,000円が相場

女性の金額が多いのは、実体験としても納得済み。かつての職場で見てきた男性陣は、グルメな人は別にして、食べる内容や店にこだわらず「お腹が満たされればどこでもいい」「さくっと食べれるところで」と考える人が多かったように思います。一方で、女性は「今日はイタリアンがいいな」「あのお店美味しいって評判だから行ってみたい」「すごくオシャレなお店なのよ」と、外食するのであれば、どこでどんなメニューを食べるかを意識して店選びする人が多く、必然とコストも高くなりがちです。
とはいえ、600円〜700円前後で食べられる外食ランチは、特に大都市のオフィス街ともなると少ないと思いませんか?
もちろん、牛丼やファーストフードなど低価格設定の飲食店は除外しての話です。それにファーストフードが安いといっても、ハンバーガーにポテト、ドリンクと満足できるだけのサイドメニューをつけていると、あっという間に1,000円近くの金額になってしまうことも皆さん体験済みなのではないでしょうか?
東京都の池袋、渋谷、新宿周辺であれば800円前後、六本木や麻布周辺ともなると1,000円前後がランチの平均相場。かつて、飯田橋、新宿、原宿、御茶ノ水、汐留と職場を転々としてきた私も、平均して800〜1,000円が通常でした。600〜700円のお店なんて安い!と大喜びしたものです。どちらにしても、この金額を毎日出費していれば、600円という世間的な予算もオーバー。節約とは程遠くなってしまいます。

500円ランチがあった!

そんな時、普段の外食ランチに数回挟み込んで利用したいのが、500円ランチ。ワンコインランチとも呼ばれていて、外食ランチをされる方は一度ぐらい利用したことがあるかもしれません。街角に大きな文字で、500円と描かれたのぼりを置いて、堂々とアピールしているところもありますよね。競争の激しい飲食店が客寄せを兼ねて設定しているこの500円という価格帯。お財布に優しいだけでなく、想像以上に500円で満足度の高い食事ができるところも多く、「侮るなかれ、ワンコインランチ」なのです。時には雑誌で特集が組まれるほどの人気と需要があるため、今後もそうしたお店が増えてくることが想像できます。

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2.ねらい目は個人店

ワンコインランチは3系統

ワンコインランチは下記に挙げた3つのタイプに大別できると思います。

①居酒屋チェーン店系
客寄せ的に500円メニューを設定し、それ以上の金額のランチもしっかり数種類用意されているパターンが多いようです。魚や肉メインにご飯とみそ汁付き、といったシンプルメニューが定番で、居酒屋という誰もが知っている名前から、気軽に入店できるメリットも。オーダーしてからサーブが早いのも特徴の1つです(おそらく作りおき)。一方で、ボリュームが少なく、特に男性であれば、物足りなさを感じる量であることが目につきます。

②個人営業の飲食店系

ランチメニューを全てほぼ500円に設定しているお店や、日替わり定食1品だけを500円と設定し、それ以外は通常価格(600円〜1,000円)など、各店舗それぞれにカラーがあります。客寄せの価格設定とはいえ、他にはない強みをだすためにもその500円に力を入れているお店も多く、味ボリュームともに満足度の高いお店もここ数年で増えてきています。一方で、当たり外れが大きいのもこの手の特徴かもしれません。

③バーガー系など例外

素材にこだわったハンバーガーを提供する某有名チェーン店で見かけたワンコインセットメニュー。日替わりバーガー+ドリンクで税込み530円。きっちりワンコインではありませんが、明らかにワンコインランチを意識した価格設定。このように、意外にやっていなそうなお店でもサービス的に提供していたりします。



3系統のなかでは個人店のランチがお勧め

このように、ワンコインでも色々なパターンがありますが、食べてみて「やっぱり500円ね」と思わせるメニューが多いのも事実。「500円だからこの内容なのはしょうがない」と言ってしまえばそれまでですが、どうせなら「これが500円で食べられるの!?」と感動するぐらいの内容に出会えると、節約とランチを同時に楽しむことができます。
そこでおすすめしたいのが、②の個人店が経営するワンコインランチです。競争の激しい飲食業界で、小規模であるがゆえに、味とお得さと他にはないカラーが生き残りのカギに。だからこそ、その分力の入れ具合が本気の所が多いのです。また、そういう店のなかには、大々的に宣伝することなく、店先の看板にさりげなく500円〜と書いてあったり、サービス的に『限定●●食』と数が限られているパターンであれば、あえて書かずに、口コミで広がるケースも多くあります。そして、一見「この店大丈夫?」と入店を躊躇してしまうような店構えの怪しいお店にこそ、満足度の高いワンコインメニューが存在していたりするのです。

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3.人気の理由はワンコインだけではない

人の舌は正直

ワンコインランチは決して、安いという理由だけで流行るわけではないと感じています。安さのなかに『美味しさと驚き』があってこそ、人は集まり、それをもう一度食したいとリピーターになるのです。そして、人の舌はとっても正直。例え500円であっても食べてみて「あれ?」と満足できない部分があると、店内は人がまばらだったりします。ところが、やはり満足できる味の所は、外からはなかの様子が見えず気づかなかったけれど、なかに入ってみてびっくり。超満員で常連ばかりがひしめき合う…なんて光景もよく目にします。また、人気店であればあるほど、500円のサービスメニューは早い時間で売り切れてしまうことも。ネット社会になって、その人気や情報は今まで以上に伝わりやすくなり、今まで以上に店側の努力も必要で、これからますますランチ競争も激化していくかもしれません。

ワンコインの価値は大きい

外食ランチは、仕事から自分を切り離し、一息つける貴重な時間です。特に外出の少ない内勤の人にとっては、外を歩いたり、気持ちをリセットできる唯一の機会でもあります。そんな楽しい外食ランチを節約しながら楽しむためにも、お気に入りのワンコインランチを見つけてみてはいかがでしょうか? 

田中恵子(フードライター)
編集プロダクション、WEB制作会社を経てフリーランスに。フード、ファッション、介護などの媒体で、取材・執筆・編集を担当。食べることが大好きで、フード系の取材は多い月で30件にも及ぶ。最近では横浜の農を普及する「はまふぅどコンシェルジュ」を取得。月刊誌「カフェ&レストラン」(旭屋出版社)では、野菜がおいしいお店を紹介する『VegiLove』を連載中。
http://www.asahiya-jp.com/cafe_res/

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