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【1.資産運用の基礎知識】 金融商品セールス撃退?法

 銀行預金のペイオフの実施、不動産や新興国の株式などのさまざまな金融商品の台頭、株式市場を舞台にした時代の寵児達の突然の逮捕など、私たちの資産運用環境は日替わりといってもいいぐらいめまぐるしく変化しています。これは、戦後の高度成長期に端を発した「元本は安全に増えていく」時代から「元本が割れてしまうリスクを覚悟する」時代へと変貌している証左のひとつだといえましょう。

 貨幣経済が本格的に稼働し始めた江戸時代から、銀行制度が整備された明治・大正時代を経て、戦時統制がしかれた昭和初頭に至るまで、「元本が安全に守られる」という状況は存在しなかったと考えられます。戦後の成長期から成熟期の50年間程度が日本の金融商品にとっては平穏な時期、つまり「元本が守られる」時期だったのかもしれません。

 しかし、時代は変わりました。これからは、元本の安全性も、保有する資産の収益性も、私たち自身で守らなければならないのです。守るための方法といえば、よくわからない金融商品には手を出さないことです。ところがなかなかそうはいきません。なぜなら私たちは「セールスされると弱い」からなのです。

 特に退職金を手にした世帯に対してセールス攻撃は激しくなります。私たちは不思議な習性を持っており、セールスに来られると断りにくくなってしまうのです。知らず知らずのうちに「来てくれたから」とか「資料をもらってしまったから」とかセールスマンに“恩義”を感じ、何か“返してあげなければ”と考えるのです。これを心理学的には「返報性」と呼びます。セールスに来られてしまうと、この返報性がはたらき、よく理解できなかったり納得できなかったりしても、セールスマンを喜ばせるために商品を購入してしまうのです。これでは私たちの金融資産を守れません。この状況を打破するための朗報があります。それが金融商品取引法です。

 金融商品取引法という銀行、証券、保険、不動産、商品等々のさまざまな金融商品について網羅的・包括的にカバーする法律があります。金融商品取引法には、「適合性の原則」「不招請勧誘の禁止」「再勧誘の禁止」が謳われています(「適合性の原則」については(テーマ「金融証券取引法とは何か?」をご参照ください)。

 不招請勧誘の禁止とは、金融商品の勧誘を希望してない顧客に対してなんらかの勧誘、つまりセールス活動を行うことを禁止するものです。一時、金融先物取引を利用した商品で、電話や訪問などの度を超えた不招請勧誘が起きたため、金融先物取引法ではすでに不招請勧誘の禁止が実施されています。

 再勧誘の禁止とは、例えば、一度は興味を持って勧誘を受け、パンフレットをもらったり訪問を受けていたりしたが、途中で「もはや興味がないので来ないでくれ(電話しないでくれ等)」という意思表示をした場合には、業者はセールス活動を中止しなければならないというものです。

 暑い中、汗を拭き拭きやってきたセールスマンをむげには帰せないのが人情です。でも、それでは大事な資産を守れません。金融商品取引法という力強い法律がある現在、これを武器にしっかりと資産管理を行うことが求められているのです。

■金融商品取引法による業者が遵守すべき行為規制
  • ○標識の掲示義務
    • 営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲示しなければならない。

  • ○広告の規制
    • 金融商品取引業者である旨及び登録番号などを表示しなければならない。
    • 利益の見込みについて、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

  • ○契約締結前の書面交付義務
    • 金融商品取引業者である旨及び登録番号などを記載しなければならない。
    • 契約の概要や手数料の概要について記載しなければならない。
    • 「損失が生じることとなるおそれ」や「損失の額が、顧客が預託すべき保証金などの額を上回ることとなるおそれ」があるときは、その旨を記載しなければならない。

  • ○契約締結時の書面交付義務

  • ○各種禁止行為
    • 「虚偽のことを告げる行為」や「不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘する行為」をしてはならない。
    • 勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問・電話により勧誘をしてはならない(いわゆる不招請勧誘の禁止)。
      ※当面は、店頭の金融先物取引(外国為替証拠金取引など)を対象とします。
    • 顧客が契約を締結しない旨の意思を表示したにも関わらず、勧誘を継続してはならない(いわゆる再勧誘の禁止)。
      ※当面は、金融先物取引(外国為替証拠金取引など)の全般を対象とします。

  • ○損失補てんの禁止

  • ○適合性の原則
    • 顧客の知識・経験・財産の状況及び契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行い、投資者保護に欠けることのないようにしなければならない。

金融庁ホームページより




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