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【1.資産運用の基礎知識】 元本確保とインフレ

 古くから「三分法」と呼ばれる資産を長期的に保有する方法があります。いわば分散投資の初期形態といえるこの方法は、現金、不動産そして金(Gold)で3分の1ずつに資産を分散するものです。

 三分法の実践は容易ではありません。金については資産固有のリスクを云々する以前に、金という資産についての知識が私たち個人投資家は決して十分とはいえません。不動産は日本人にはなじみのある資産です。一時の「土地神話」ではありませんが、値上がりが十分に期待できる資産として君臨してきました。ところがバブル崩壊以降はずいぶんと状況が変わっています。価値以上に値上がりした不動産価格が調整されて下落したことに加え、少子化の進展で予見される人口減少社会による土地余りを織り込み始めました。残る資産は現金である貨幣もしくは貨幣相応資産です。

 現金をそのまま保有することは効率的ではありません。リスクを低減し、さまざまな収益機会を逃さないためにも、現金における分散投資が必要です。預貯金、国内外の債券や株式が分散投資の手段です。

 分散投資とは一般的に、“長期的な投資を前提とすれば、株式はインフレに強く実質的に資産を増加する効果を持つ。債券や預貯金に代表される元本を確保するタイプの商品は安心だがインフレに弱く資産の実質的な価値が目減りする可能性がある。外国の債券や株式については、現地市場の市況に加え、ゼロサムゲームである為替市場にも注意を払わねばならない”ということです。

 これは論理の上ではあてはまりますが、現実を踏まえると留意すべき点があります。 “債券や預貯金に代表される元本を確保するタイプの商品はインフレに弱い”という部分です。債券や預貯金の金利は、最終的には物価すなわちインフレ率に連動するように決定されていますが、反応は早くありませんし、上限や下限が設定されるケースもあり得ます。

国債利率とインフレ率の推移

グラフをご覧下さい。インフレ率と金利を比較したものです。インフレ率は消費者物価指数の年ごとの上昇率、金利は預貯金の金利と似た動きをする10年国債のクーポンレートとしました。単純に考えれば、グラフの青い線(金利)が赤い線(インフレ率)を下回っていたら、インフレに負けて資産の実質的価値が目減りする状態を示します。

 グラフから読み取れることは、1970年代に起きたような物価の突発的な急上昇時には預貯金はインフレに弱いが、そうでない時期は安定的にインフレ率に勝っているということです。もっとも、金利が低い時期に固定金利の預貯金商品を購入するということであれば、金利上昇期には実質的価値は減少し、インフレに負けてしまいますので注意が必要です。金利が上昇しそうな気配があれば、変動金利の商品にする等の工夫を施せば「元本確保=インフレに弱い」という投資の教科書を単純にあてはめなくてもいいのです。

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