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障害年金にはこれだけの手続きが必要

公的年金制度に加入していれば、老後の年金だけでなく、障害を持った場合や、本人が亡くなって一定の遺族がいる場合にも年金を受けることができます。ただし、公的年金をもらうときには、基本的に受け取る本人が手続きを行うことが必要です。いつどんなことが起こるかわからないのですから、障害年金の手続きについても正しく知っておくことが将来の安心につながります。

できるだけスムーズに認定を受けたい

障害年金は老齢年金や遺族年金と手続きが少し異なります。「きちんと保険料を納めているか」という基本的な要件を満たしていることに加えて、「障害があること」を「認定」してもらう必要があるからです。認定を受けるためには、必ず医師の診断による「いつから障害をもったか」「どの程度の障害か」ということの証明が必要です。この判定には時間がかかることもありますから、できるだけスムーズに手続きが進むよう書類を準備したいものです。

※本文中に使われている年金額は平成30年度の額です。

1.障害になってもすぐに年金を受け取れるわけではない

障害基礎年金と障害厚生年金

日本国民は20歳になると、必ず国民年金に加入する義務があります。また、就職して会社員や公務員になったときには厚生年金保険に加入します。障害状態になったとき、国民年金だけに加入している第1号被保険者(自営業やアルバイトの人、無職の人など)と第3号被保険者(第2号被保険者に扶養される専業主婦・夫)は「障害基礎年金」を、第2号被保険者(会社員や公務員など)は「障害基礎年金」に上乗せして「障害厚生年金」を受け取ることができます(表1)。

■表1 障害を持った場合に受け取れる年金

※1 18歳到達年度の末日(3月31日)より前の子。1級または2級の障害を持っている場合は20歳未満の子。
※2 (平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数)+(平均標準報酬額)×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数

保険料の納付済要件

障害年金が支給されるには、その人が年金制度に加入してきちんと保険料を支払っていたことが条件になります。具体的には、障害基礎年金は、初診日※の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること、あるいは、初診日の属する月の前々月までの1年間に、保険料の未納がないことが必要です。なお、20歳前に初診日がある人はこの条件は必要ありません。
障害厚生年金はこの障害基礎年金の条件を満たしており、かつ厚生年金保険の被保険者期間中の傷病がもとで障害をもったときに支給されます。
※障害の原因となった傷病について、1回目に診察を行った日。

障害の認定に時間がかかることも

年金の保険料納付要件をクリアしたら、次に医師に障害に対する診断を行ってもらう必要があります。病院で障害の事実確認と障害の程度の見極めを行ってもらう必要がありますが、障害年金は障害の原因となった傷病の初診日から1年6か月が経過した日(=障害認定日。障害が固定したとみなされます)から受給できるようになりますから、初診日の確定がとても重要なポイントとなります。
ところが、病気と障害の因果関係を明らかにするのが難しかったり、病院が変わっていたり、時間が経過していたり、と過去の初診日を確定することは容易なことではありません。特にカルテの法定保存期間である5年を過ぎた傷病については特定が難しくなります。
そのため、何度もヒアリングが行われたり、さまざまな書類の提出が求められたりすることはある程度覚悟しておいた方が良いでしょう。

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2.どんなとき種別が変わる?

年金の請求手続きを行う前に

障害年金は、請求を行う前に必ず医師による障害の診断(障害の有無・程度)が必要です。診断書等は障害認定日より3か月以内のものに限ります。
障害年金は次の場合に認定を受けることができます。

〇障害の原因となった傷病の初診日から1年6か月を経過した日
〇その間に治った場合は治った日
〇20歳に達した日に障害の状態にあるとき
〇60歳以上の人は65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となったとき
障害認定の遡及請求について

「障害認定の遡及認定」とは、障害認定日、つまり初診日から1年6か月が経過した日まで遡って請求することを言います。ただし、年金請求上の時効(5年)を経過していないことが条件となります。
訴求請求するには、障害認定日時点から3か月以内の診断書と今現在の診断書の2枚を準備します。



障害の有無やその程度については必ず医師の診断が必要ですが、合わせて初診日がいつなのかわからなければ、いつから支給を開始できるか判断できません。
ですから、障害年金は請求手続きを行う前に医師の診断(診断書等)と初診日の決定(受診状況等証明書)が必ず必要になります。

障害等級の例

障害年金の対象となる病気やけがは、外部障害(眼、聴覚、肢体の障害など)、精神障害(統合失調症、うつ病、てんかん、認知障害、知的障害など)、内部障害(呼吸器疾患、心疾患、糖尿病、がんなど)の3種類です。等級は障害の程度に応じて決まります。障害年金の額は等級(表2)によって異なります(表1)。


■表2 国民年金・厚生年金保険の障害認定基準(例)

※内部障害の場合、初診日から1年6か月以内に規定の状態に達している場合はその日が障害認定日となります。

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3.障害の状況に応じて異なる必要書類

障害年金の請求は必ず手続きが必要

障害年金は、老齢年金や遺族年金同様、自動的に支給が開始されるものではありません。必ず自分で請求の手続きを行うことが必要です。

【障害基礎年金だけの人の手続き】
障害基礎年金だけの請求手続きは「年金請求書(国民年金障害基礎年金)」(市区町村窓口または年金事務所等に常備)に必要事項を記入して市区町村の窓口に提出します。ただし、初診日が第3号被保険者期間中にある人は年金事務所で手続きを行います。


■図2 年金請求書(国民年金障害基礎年金)


【障害基礎年金と障害厚生年金を合わせて受ける人の手続き】
障害基礎年金と障害厚生年金を同時に請求する場合の手続きは、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付)」(年金事務所等に常備)を年金事務所の窓口に提出します。


■図3 年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付)


請求手続きの際に必要な添付書類(例)

その人の状況に応じて、請求書(上記)に添付する書類が異なります。事前に確認して漏れがないようにしましょう。

■表3 障害年金請求書に添付する書類

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4. 年に一度は現況届と診断書を提出

障害年金は支給が開始されても、そのままもらいっぱなしというわけにはいきません。原則的に1年に1度、誕生月に、必ず医師の診断書とともに障害の現状を届け出ることが必要です(「現況届」)。現況届は誕生月の月初めに日本年金機構から郵送されてきます。ただし、障害の程度が変わり年金の額が変わってからまだ1年たたないときには現況届が必要ありあせんので、送られてきません。また、障害の程度が生涯変わらない(例えば片脚を切断した)と日本年金機構が判断した場合は、現況届が送付されてきませんので提出は不要です。
障害の状態が変わらなければ、障害年金の額も変わりませんが、障害の状態に変化があれば変化に応じた額に変更になりますし、障害がなくなれば障害年金は支給が停止されます。


■図4 現況届(加給年金額等の対象者がいない人)

5. こんなことにご注意を

〇障害年金は非課税
障害年金は遺族年金同様、税金がかかりません(老齢年金は課税の対象となります)。

〇保険料が法定免除になる可能性も
障害年金1級・2級を受けている第1号被保険者の人は、国民年金保険料が法定免除となります。ですから、保険料を支払わないという選択もできますが、将来、障害がなくなり老齢基礎年金を受ける場合は、免除されていた期間は保険料が1/2で計算されて年金額に反映されますから、可能性がある人は注意が必要です。
厚生年金保険に加入している人は保険料免除の対象になりません。

〇障害の程度が変わったときは必ず年金事務所へ
【重くなった時】
年金額の改定請求の手続きを行ってください。請求の用紙(「障害給付 額改定請求書」)は、年金事務所にあります。医師の診断書等を添付します。ただし、過去1年以内に障害の等級に変更または年金額の改定請求を行った人はこの請求はできません。
【軽くなったとき】
毎年1回、現況届と一緒に提出する診断書によって審査が行われ、障害の程度が軽くなったときは、年金額が自動的に変更されます。届書の用紙は、日本年金機構から送付されますので「ねんきんダイヤル」に電話します。届書は年金事務所にも常備されていますが、障害基礎年金だけを受けている人は市区町村の窓口でも手続きできます。

〇20歳前の傷病による障害基礎年金には所得制限
生まれつき障害を持っている人や20歳前の傷病が原因で障害になった人は本人が国民年金保険料を納付していないため、所得(年収から各種所得控除を差し引いた額)による支給制限があります。2人世帯の場合は所得額が3,984,000円を超える場合には年金額の2分の1が支給停止となり、5,001,000円を超える場合には全額支給停止となります。
扶養家族がない単身世帯については、所得額が3,604,000円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となり、4,621,000円を超える場合に全額支給停止となります。
(上記未満の所得額のときには全額が支給されます)

〇老齢年金や遺族年金との選択
受けられる年金は1人1年金が原則です(上乗せして受けられる基礎年金と厚生年金は1つの年金としてみなされます)。
65歳になり老齢年金が受けられるようになると、事由が異なる障害年金と老齢年金は同時に受けることができませんから、いずれかを選択することになります。すなわち、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金を受けている人でも、老齢基礎年金または遺族基礎年金といずれかを選択することになります。
上乗せされる厚生年金については老齢厚生年金または障害厚生年金を組み合わせることができます。



次のようなことで年金額は変わってきますから、できるだけ年金額が高くなる組み合わせを選択しましょう。
・国民年金の保険料は何か月支払ったか ⇒ 老齢基礎年金額が変わってきます。
・厚生年金保険の保険料は何か月支払ったか ⇒ 老齢基礎年金額・老齢厚生年金額が変わってきます。
・障害年金は課税されないが、老齢基礎年金・老齢厚生年金は課税対象 ⇒ 最終的に受け取る年金額を試算してみましょう。
具体的なことは年金事務所に相談すると良いでしょう。

〇複数の障害がある場合
たとえば眼と足というように、体の2か所に障害があるとしても、障害年金が通常の2倍になるということはありません。基本的に次の3つの手法により判定されます。
【併合(加重)認定】
個々の障害に付されている「併合判定参考表」の番号を組み合わせることにより、併合番号を決定し等級を決定します。
【総合認定】
複数の内科的疾患により障害がある場合は、併合(加重)認定ではなく総合的に判断して等級を決定します。その際に「活動能力減退率」(複数の疾患により、活動能力がどれくらい減退したか)を使用します。
【差引認定】
障害認定の基準に満たなかった障害と同じ場所に新たな障害が加わった場合は、現在の障害の程度から以前の障害の程度を差し引いて、後から障害の程度を採用します。

〇事後重症による請求
障害認定日に障害等級1級または2級の状態に該当しなかった場合でも、その後症状が悪化し、1級または2級の障害の状態になったときには請求により障害年金が受けられます(ただし、一定の受給資格期間が必要です)。このことを「事後重症による請求」といいます。

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