ここからトップページから現在のページまでのパスを示したリストが始まります

ここから本文が始まります

【元気な暮らし】アンチエイジングに何が効果的か

みなさんは、ある日突然「老い」を感じたことはありませんか? 以前に比べて体力が無くなった、疲れやすくなった、シワが増えてきたなどです。もしかすると、検診の結果、血圧や血糖値、コレステロールの薬を飲まないといけなくなっているかもしれませんね。これは長年の食生活の乱れが招いていることがほとんどですが、逆に、食事で「アンチエイジング」、つまり若返りをしていくこともできるのです。

アンチエイジングには「牛肉」「イワシ」「トマト」が効果的

「老化」は誰にでもやってくる自然の摂理ですが、40歳で様々な変化を感じ始める人もいれば、70歳で若々しい人もいるのは何故でしょうか。老化の開始を少しでも遅らせ緩やかにするものは、身近な食材にありました。肉ならば「牛肉」、魚ならば「イワシ」、野菜なら「トマト」。そのわけを探っていきましょう。

1.いつまでも若い人は「牛肉」を食べている!
2.魚を食べるなら「イワシ」
3.野菜はトマトが最強
4.意外に活躍する「ナス」
5.「菌活」してダイエット

1.いつまでも若い人は「牛肉」を食べている!

40歳を超えると差が出てくる

40歳以降、特定健康診査(いわゆるメタボ健診)を受けて保健指導があったりすると、「魚を多く食べるように」と言われることが多いと思います。確かに、肉食に偏るのは良くありませんが、肉と魚の割合を1:2や2:3にした時の肉の種類を「牛肉を多め」にしてみましょう。
牛肉は、若い頃と40歳を越してからの肌つやにどれくらい差が出てくるかが決まってしまうぐらい重要な食材です。若くてハリのある肌は動物性タンパク質に多く含まれているアミノ酸で作られています。つまり肉を食べると良いのです。
なかでも牛肉には、日ごろ不足しがちな鉄と亜鉛が豊富に含まれています。特に牛肉には吸収効率の良いヘム鉄が多く含まれています。鉄と亜鉛は不足すると肌の若さに必要な潤い成分が作れなくなります。
また、牛肉には肌のつやをつくる脂肪も含まれています。さらに脂肪の中にはコレステロールがあります。コレステロールというと悪いイメージを持っている人も多いでしょうが、意外なことにコレステロールは肌の潤いを逃がさない細胞間脂質として肌を乾燥から守っています。

選ぶ部位は安めの「ロース」

量は1回に150〜200グラム、週に2回が最適です。ポイントは、必ず「ロース」を選ぶことです。ロースなら必要なアミノ酸、鉄、亜鉛を確保しつつ、適度に脂肪やコレステロールを摂ることができます。焼き肉店などで食べる場合は脂肪の多いカルビをやめて、ロースを2皿(1皿80〜100グラム)ぐらい食べましょう。塩味で食べるのがおすすめです。家庭なら網やフライパンで、塩もしくは醤油をかけてさっと焼きましょう。糖分の多い焼肉のたれ類は余計なカロリーの原因になるのでシンプルな味付けが良いでしょう。
ほかにおすすめのメニューがしゃぶしゃぶです。しゃぶしゃぶ鍋でも冷しゃぶサラダにしても構いません。しゃぶしゃぶ鍋ならばたれはポン酢、冷しゃぶサラダならあっさりしたフレンチドレッシング、イタリアン、ゴマ風味にすると塩分オーバーを防ぐことができます。濃厚なゴマだれは脂肪が多いので控えめにしましょう。和風ドレッシングや中華風は塩分が高め、ノンオイルは脂肪がなくても代わりに糖質が多めの傾向がありますので気を付けましょう。
牛肉を購入するときにロースがなければ、肩ロース、リブロースを選びましょう。ロースは、焼肉用にスライスしてあるものや、しゃぶしゃぶ用などの薄切り肉で充分です。ステーキ用の肉はサーロインが多いので気を付けましょう。肉についている脂身は食べるときに残すと余分な脂肪がカットできます。焼く前に切り落としてしまうと焼き縮みが激しく、うま味が逃げてしまいます。
牛肉は「上」「特選」「和牛」などの肉は脂肪とコレステロールが多過ぎです。輸入牛や交雑種、価格が安めのものを選びましょう。適度な脂肪とコレステロールは若さを保つのに必要ですが、多過ぎると体に脂肪がついたり、血液がドロドロになったりする心配があります。ロースならほど良い量でおさまるのです。身近な牛肉といえば牛丼ですが、牛丼の牛肉はバラ肉なので脂肪オーバー。丼なのでご飯も多過ぎです。必ずロースにこだわって牛肉を選びましょう。

脂肪を燃焼するL-カルニチンが豊富

さらに牛肉にはL-カルニチンという栄養素が豊富です。このL-カルニチンは脂質の代謝を促進し、効率よく燃焼します。中性脂肪(内臓脂肪)と皮下脂肪の両方の燃焼を促すので健康やダイエットに効果があります。しかもL-カルニチンはコレステロールの増加を抑えて、血管壁に沈着するのを防ぎます。まさに血液と血管を若返らせる効果をもっているのです。
さらに、牛肉にはビタミンB群が豊富です。ビタミンB群は新陳代謝を活発にし、全身を若返らせる働きを持っています。逆に不足すると、疲労感が強くなったり、疲労回復が遅い、頭痛やめまいを起こすこともあります。

このページの先頭に戻る ▲


2.魚を食べるなら「イワシ」

ビタミンB群で元気な体に

「イワシ」にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群とはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種の総称です。もともとどのビタミンB群も豊富な食材は数が少ないのですが、イワシにはどれも多く含まれています。ビタミンB群は8種類のビタミンですから、通常は食品によってそれぞれのビタミン類が多かったり、少なかったりします。それが、8種類そろって豊富という食品は、かなり限られています。そのうえ、日本人に不足しがちな鉄が豊富となると、それはイワシしかありません。
ビタミンB群は、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の代謝を活発にして、体のエネルギー源として利用する働きを持っています。つまり、ビタミンB群が体に充分にあると、食事のカロリーがどんどん使われて発散されやすくなるのです。すると、体の内側から元気がみなぎり、疲れにくく、同時に疲労回復も早くなります。逆に不足すると、太りやすい、疲れやすい、疲労回復が遅い、頭痛やめまいの原因にもなります。ですから、ビタミンB群をシッカリ食べておくことがアンチエイジングの秘訣です。

アンチエイジングに欠かせない鉄・EPA・DHA

鉄は、不足すると鉄欠乏性貧血になるだけでなく、だるい、疲労感が強い、息切れ、病気になりやすいと良いこと無しです。鉄は血液の重要な材料で、酸素を全身に運んでくれます。肌の血色を良くして若く見せる効果もあり、アンチエイジングに効果的です。しかもイワシには、血液をサラサラにする効果の高いEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富です。刺身、煮魚、焼き魚にして食べるのがおすすめです。フライにすると揚げ油にEPAとDHAが逃げてしまいます。余計な脂肪を食べないためにも揚げ物にして食べるのは控えておきましょう。

このページの先頭に戻る ▲

3.野菜は「トマト」が最強

抗酸化力で活性酵素を溜めない

野菜もアンチエイジングに欠かせない食品です。老化の原因はいくつかありますが、そのなかに「活性酸素」があります。私たちは呼吸によって大量の酸素を体内に取り入れていますが、そのうちの一部が活性酸素になるといわれています。これは紫外線によるもので、紫外線は体のなかに、老化を促す「活性酸素」を作り出してしまうのです。20歳代前半ぐらいまでは、体の中で活性酸素の害を打ち消す「抗酸化力」が高いので、老化を実感することはありません。しかし、体の内側からの抗酸化力が衰えてくると、活性酸素によって老化がどんどん進んでくるのです。

抗酸化力といえばリコピン

そこでオススメなのが「トマト」です。なぜトマトが素晴らしいのかは、赤い色のリコピンの効果にあります。リコピンはあらゆる食品成分の中でもずば抜けた抗酸化力を持っています。そんなリコピンが活性酸素と闘って体の老化をブロックし、肌のシミを消します。しかも、リコピンは新たにシミを作らせません。トマトは全ての食材のなかで、リコピンを最も効率よく大量に食べられる食材なのです。
このようにリコピンは活性酸素から全身を守る力が非常に強い成分ですが、その抗酸化力は、同じく抗酸化力が高い成分であるベータカロテンの2倍、ビタミンEの100倍も効果があるとされています。

真っ赤な「ミニトマト」を1日5個

リコピンを取り入れるのには、真っ赤に完熟したものを選ぶのがコツです。実は、日本の大型トマトは、赤く見えてもリコピンが少ないのです。従って、大型トマトを食べるより「赤色」のミニトマトのほうがリコピンを多く摂取できます。
ミニトマトの量の目安は1日5個程度。リコピンの1日の摂取量の目安などはありません。しかし、ミニトマトからリコピンを最大限に取り入れて、なお且つ、ほかの野菜との栄養のバランスを考えた量が5個なのです。

水煮缶もおすすめ

ミニトマトだけでなく、大型トマトを加工した水煮缶もおすすめです。これは、生で食べる大型トマトより、加工用のトマトは「赤色」でリコピンが豊富だからです。リコピンは熱に強いので、水煮缶になっていても壊れません。手間ひまを惜しまないのでしたら、水煮缶とオリーブオイルでトマト煮やスープを作るのも良いでしょう。

油と一緒に摂ることで相乗効果が

毎日手軽に食べるなら、ミニトマトをサラダにして、油を使ったドレッシングをかけるのがおすすめです。油を使うとトマトに豊富なリコピンだけでなく、ベータカロテンの吸収効率も良くなります。リコピンとベータカロテンの2つの抗酸化力の相乗効果で、トマトの抗酸化力そのものがパワーアップします。
ただし、トマトジュースやトマトソース、ケチャップ、ペーストなど加工したトマト製品は、リコピンの量が少なすぎるのでダメです。血中リコピン濃度は年齢と共に減ってしまいます。特に50歳を越していれば、必ず油と一緒に食べて吸収効率を良くしておきましょう。

このページの先頭に戻る ▲

4.水分を十分に摂る

抗酸化力・抗がん作用が高い「ナスニン」

 抗酸化力が高く、活性酸素を打ち消す力が強いのが「ナス」。なぜナスが良いのかは、ナスの皮にある特有の紫色を作っている「ナスニン」の効果です。ナスニンには、高い抗酸化力を持っています。しかもナスは約92%が水分。煮る、炒めるなどの調理をすると、カサがグンと減って量を多く食べることができます。ナスニンをたっぷり体に取り込むことで、老化の原因になる活性酸素を退治してくれるのです。
ナスニンは高い抗がん作用もあります。がんの原因の1つに老化があるので、若返りのためにナスは欠かせません。

調理の方法に注意

ナスニンは水に溶けやすいので、さっと洗う程度にしておきます。切ってすぐに調理すればアクは気になりません。ただし、皮ごと食べるといっても漬け物は塩分オーバーなので、避けましょう。
ナスの原産はインド東部といわれています。紫外線の強い地域で元気に育つ食物は活性酸素に対抗する力を豊富に持っています。他にはモロヘイヤ(エジプト)、人参(アフガニスタン)、緑黄色野菜も抗酸化力の高いベータカロテンが豊富でおすすめです。

このページの先頭に戻る ▲

5.「菌活」してダイエット

「菌活」で痩せやすい体を手に入れる

基礎代謝(生命を維持しているだけで消費するエネルギー量)は年齢とともに減ってきます。これも老化現象の1つです。基礎代謝が減少して体重がオーバーすると、それに伴って血圧が上がったり、同時に血糖値やコレステロール、中性脂肪の数値が上がりやすくなります。
誰しも年齢とともに痩せにくい体に変化してきます。そこで、食べて「菌活」をすることで痩せやすい体に若返らせるのです。
「菌」は訓読みすると「きのこ」です。つまり、菌を丸ごと食べられるのが「キノコ類」。「菌活」とは、体の良い働きをする菌を食べることです。

食物繊維で便秘を解消して代謝をアップ

キノコ類全般は、1パック(平均100グラム)で約20キロカロリーと、超低カロリー。カロリーを気にせず食べても良い食品です。これだけでもダイエット効果があります。しかも食物繊維が豊富です。キノコから食物繊維がたっぷりと腸に入ると腸内環境が良くなります。食物繊維は直接便秘の改善・解消に役立ちますが、実は便秘は悪玉菌の増えすぎも原因なのです。50歳を越すと腸内の善玉菌は最も状態が良い時期に比べて半分に減るとされています。そこで腸内で善玉菌が増えていくと、代謝を高めて更にダイエット効果をもたらします。便秘の改善と代謝のアップのダブル効果でお腹のでっぱりは凹んできます。

脂肪を排出する「キノコキトサン」

近頃注目されているのがキノコに特有の成分である「キノコキトサン」です。キノコキトサンは、脂肪の吸収を抑えて排出を促す働きがあります。キノコ類の中でもエノキダケに多く含まれています。
エリンギ、マイタケにはビタミンB群が豊富です。余分な脂肪を体に溜め込まないようにします。つまりビタミンB群はダイエット効果と若返り効果をもたらすのです。
キノコ類は、味噌汁として食べるのがおすすめです。みそには「こうじ菌」があり、キノコは種類ごとに持つ菌が違ってきます。複数の菌を混ぜて食べることで「菌活」の効果が高まるので、しめじ、しいたけなど様々な種類のきのこをどんどん食べましょう。
味噌汁は食事の最初に食べましょう。味噌汁の水分でお腹が膨らみやすく、食べ始めてから早い段階で満腹感を得やすくなります。しかも豊富な食物繊維で、満腹感が持続しやすいために余計な食欲が沸きません。
口から取り入れた菌は腸内で3日程度で死んで便として出て行ってしまいます。ですから、毎日〜3日に1回は食べておきたい食材です。

このページの先頭に戻る ▲

菊池真由子(管理栄養士 健康運動指導士 NR・サプリメントアドバイザー)
大阪大学保健センター、フィットネスクラブ、国立循環器病センター集団検診部を経て、インターネットなどで病気の予備軍の人達への栄養指導を専門に20年あまり従事。特にダイエット、生活習慣病、メタボ対策、健康づくりなどを中心に行う。サプリメントの専門家としても幅広く活動し、マスコミ取材も多数。
著書に『免疫力を上げるコツ』『免疫力を高めるとっておきメニュー』『がん予防に役立つ食事・運動・生活習慣』『40歳からの健康ダイエット』『花粉症からあなたを守る食事学』『あなたと家族を守る がんになりにくい、再発しにくい 食事と生活習慣』など。



ここから他ページへ飛ぶリンクナビゲーションが始まります

ここからフッターリンクナビゲーションが始まります