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【元気な暮らし】お酒を飲んだ後の食事

宴会シーズンになると、つい飲み過ぎ、食べ過ぎを起こしてしまいます。そこで「飲んだ後に体がスッキリ」する食事の仕方をご紹介します。

血中アルコール濃度を下げる

お酒を飲んだ後の食事では、血中アルコール濃度を下げることが大切になります。血中のアルコールをできるだけ早く排泄し、新陳代謝を上げて体のリズムを取り戻すためには、どんな食事をすればよいのでしょうか。

1.まずは水分補給
2.ビタミン類で代謝を促す
3.翌朝は必ず朝食を食べる
4.やはり食べ過ぎには注意
5.ウコンやシジミが良いって本当?

1.生活習慣病の予防と改善が大切

アルコールの作用

お酒は種類を問わずアルコール飲料として体に同じ働きをします。つまり、焼酎だから二日酔いになりにくい、ビールだからたくさん飲んでも大丈夫、というようなことはありません。どれだけのアルコールの量を体に取り込んだのかが問題になります。
アルコールの度数と飲んだ量は関係がありますが、度数が少ないビールを沢山飲めばアルコール量は多くなります。逆にアルコール度数が高めのワインでも量が少なければ、体に入るアルコールの量は少ないのです。
お酒を飲むと血液中にアルコールがどんどん溜まって、血中アルコール濃度が高くなっています。これが過ぎると頭痛や嘔吐、二日酔いの原因になります。さらにアルコールそのものがもつ利尿作用で体から水分が失われやすくなっています。水分が少ない血液中にアルコールが大量に入り込むと、血中アルコール濃度が高くなります。アルコールは一定の量なら気持ちをさわやかにする効果がありますが、ある量を超えると毒になってしまいます。血液中のアルコールを肝臓が分解して無毒化していくのですが、アルコールの量が多すぎると無毒化のスピードが間に合わなくなります。分解されるのを待っているアルコールは血液中に留まっています。

水分補給で血中アルコール濃度を下げる

飲み過ぎの弊害から体を守るためには、まずは血中アルコール濃度を下げることが必要です。そのためには水分補給が一番です。アルコールが持つ利尿作用の影響でトイレの回数が増えても、ドンドン水分を飲みましょう。お酒を飲んだあとの水分補給は、お腹がちゃぽちゃぽするぐらい飲むことが重要です。
おすすめはスポーツドリンクや麦茶などノンカフェイン飲料です。スポーツドリンクには適度な塩分と糖分があり、利尿作用で失われたミネラル類を補給する効果と肝臓のエネルギー源になる糖分が含まれています。最低500ミリリットルを1本は飲みたいところです。
麦茶などカフェインのない飲料は純粋な水分補給として役立ちます。カフェインがあると、カフェインのもつ利尿作用が働いて更に水分が少なくなるのです。特にカフェインの多いコーヒーは避けましょう。またコーヒーはアルコールによる口臭(お酒くさいといわれる現象)をひどくしてしまいます。口臭対策には緑茶がおすすめですが、多少カフェインが入っています。お茶類の中でも玉露や抹茶はカフェインが多いので、カフェインの少ないペットボトルのお茶や煎茶を飲むようにしましょう。

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2.ビタミン類で代謝を促す

締目にラーメンが食べたくなるのは

水分をたくさん飲むと胃が膨らむと同時に食欲増進効果のあるホルモンの分泌が抑えられるのです。お酒の席でたくさん食べているのですが、肝臓は無毒化をするためにエネルギー源として糖分を欲しがります。このためシメにラーメンやアイスが食べたくなったりするのです。もう充分食べてしまっていてもお酒には食欲増進効果があるので、水分をとることは余計な食欲を抑えて食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

オレンジジュースで水分プラスビタミン

そこで、更に追加して飲みたいのが果汁100%のオレンジジュースです。これは翌朝になっても構いません。オレンジジュースは、スーパーやコンビニで販売されているパック入りのもの(濃縮還元タイプ)でOKです。オレンジジュースの良さは糖質を代謝するビタミンB1、脂肪を分解するビタミンB2が豊富なことです。お酒の席で食べ過ぎた食事内容を体のエネルギー源として発散してくれやすくなります。しかもクエン酸とビタミンCがたっぷりです。どちらも疲労回復に強力な効果を発揮します。特にクエン酸は体のエネルギー代謝をスムーズにする働きをもつので、宴席で食べ過ぎたカロリーやお酒の分解をサポートしてくれるのです。

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3.翌朝は必ず朝食を食べる

朝食でリズムを取り戻す

 二日酔いや前日の食べ過ぎでどうしても食欲が落ちますが、必ず食べるべきなのが朝食です。朝食は体内時計のズレをリセットして体に「朝がきましたよ」と教えてくれます。これによって体が覚醒して1日のリズムが整うのです。飲んだ日は夜更かしをしがちなので、体をリセットすることによって睡眠のリズムが乱れにくくなります。朝食を食べることで寝不足気味でもシャキッと頭が冴えやすくなるのです。
このことから、お腹が空いていなくても、ごはん(パン)+納豆や卵、魚、ハムなどタンパク質+ワカメの味噌汁(またはオレンジジュース)をシッカリ食べましょう。

朝食で摂取する栄養の効果は大きい

ごはんやパンの糖質は肝臓のエネルギー源になるので補給が必要です。ごはんは雑穀米、パンならライ麦パンや全粒粉パンといった茶色い色がついているものがおすすめです。日頃から食べる習慣をつけておくか、時折準備しておいて冷凍保存しておくと良いです。雑穀類が入ることでビタミン・ミネラル類を多めに取り込むことができるためにお酒でダメージを受けた体の調子を整えてくれます。
タンパク質は、食べたカロリーを体温として発散する効果のほか、疲労回復に役立つビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種の総称)が豊富で飲み過ぎで疲れた体を癒やします。
ワカメの味噌汁は、ワカメの食物繊維が宴席で食べた余分なコレステロールを体外に排出させる働きがあります。味噌汁での汁は失われた水分と塩分を補ってくれます。インスタントの場合はワカメの量が少ないので乾燥ワカメをひとつまみ追加してたっぷり食べましょう。パンとの組み合わせでは味噌汁は合わないので、代わりにオレンジジュースを飲むと良いでしょう。
どうしても食べられない場合は「ワカメの味噌汁」もしくは「オレンジジュース」だけでも飲みましょう。水分を摂ってできる限り血中アルコール濃度を下げるのが重要です。少しでも胃に食べものを入れることが刺激になって体内時計が動き出します。宴席の日程が予め解っている場合は、チーズやゆで卵のように手軽なものを用意しておくと便利です。

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4.やはり食べ過ぎには注意

塩分と脂肪分はすでに摂っている

 宴席では、お酒にあうおつまみが並んでいますが、アルコールにあう味というものがあります。それは塩分と脂肪です。つまり、味の濃いものや揚げ物類などで、しかもアルコールの食欲増進効果で食べ過ぎてしまいます。

キャベツが解決

このため宴席が増えると太ってしまいます。これを解決するには「キャベツ」がおすすめ。キャベツを食べることで帳消しにしやすくなります。たいてい「食べ過ぎた」と感じた時は1,000キロカロリーほどオーバーしています。これを太らないように調節するには、3日ほど食事の量を8割程度に抑えることで可能になります。
しかし、「8割程度」に抑えるのは案外難しいものです。「もう一口、あとちょっと食べたい」というところでストップをかけると腹八分目にしやすくなります。ですが、3日間、3食全て8割に抑えるのには強いガマンが必要で、イライラしてしまいます。そこでオススメなのが「キャベツを食べること」です。
3日間のうち4回、キャベツを追加して食べることでカロリーはセーブしつつ満足感のある食事をすることができます。1日3食必ず食べることで食事のリズムをつけ、それが3日間あるので9回食事の機会があります。そのうちの4回、どのタイミングでも良いのでキャベツを食べます。量は60グラム程度、トンカツに添えてあるキャベツの2倍程度の量です。3日間の毎朝+1回、と覚えると忘れにくくなります。

キャベツは食物繊維やビタミンPが豊富

キャベツには水分が約93%で非常に低カロリー。量を気にする必要がない食品です。しかも食物繊維が豊富なため、自然に噛む回数が増えやすく、食事量が少なめでも満足感が得やすくなります。また、食物繊維の効果で腸内環境が良くなり便通がスムーズになります。これによって食べた食事のカスが早くに外に出やすくなるのも大きなメリットです。さらにキャベツには特有の成分「キャベジン(ビタミンP)」が豊富。このキャベジンは荒れた胃粘膜を修復する働きがあるので、アルコールで傷ついた胃の回復を助けてくれます。
キャベツは生でもゆでても炒めてもOKです。生がもっとも食べ応えがあるのでおすすめ。しかしマヨネーズをかけるのはNG。マヨネーズは消化吸収の良い脂肪なので、カロリーコントロールのためのキャベツの効果が台無しになります。ノンオイルドレッシングまたは分離タイプ(食べる直前に容器を振ってからかけるタイプ)のドレッシングをかけて食べましょう。

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5.ウコンやシジミが良いって本当?

気休め程度

 お酒といえば肝臓の働きが注目されます。そこで肝臓の機能を上げるとしてウコンがもてはやされています。しかし、ウコンの効果そのものには「?」がつく上に、飲んだ時だけ気まぐれでウコンを取り入れても気休めにしかならないようです。
シジミについては「メチオニン」「オルチニン」という成分が肝機能を高めるとされています。しかし飲んだ翌朝に、シジミの味噌汁を用意するのは大変です。インスタントの商品もありますが、効果のほどはハッキリしていないのが現状です。

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菊池真由子(管理栄養士 健康運動指導士 NR・サプリメントアドバイザー)
大阪大学保健センター、フィットネスクラブ、国立循環器病センター集団検診部を経て、インターネットなどで病気の予備軍の人達への栄養指導を専門に20年あまり従事。特にダイエット、生活習慣病、メタボ対策、健康づくりなどを中心に行う。サプリメントの専門家としても幅広く活動し、マスコミ取材も多数。
著書に『免疫力を上げるコツ』『免疫力を高めるとっておきメニュー』『がん予防に役立つ食事・運動・生活習慣』『40歳からの健康ダイエット』『花粉症からあなたを守る食事学』『あなたと家族を守る がんになりにくい、再発しにくい 食事と生活習慣』など。



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