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【元気な暮らし】再発防止が大切「膀胱炎」

排尿時になんともいえない気分の悪い痛みを伴ったり、何度トイレに行ってもすっきりしない残尿感。こんなことが続くと膀胱炎が心配されますが、膀胱炎は女性にとって、実はポピュラーな病気です。一度はかかったことがある人も少なくないのではないでしょうか。治療はそれほど難しくありませんが、繰り返しやすいのが特徴です。
また、最近は治りづらい「間質性膀胱炎」といった病気があることがわかり、問題になっています。

抗菌薬で治りやすいが、再発も多い

1.膀胱炎とはどんな病気?
2.膀胱炎の症状
3.膀胱炎の原因
4.膀胱炎の治療
5.膀胱炎の予防

1.膀胱炎とはどんな病気?
膀胱炎というのは、主に細菌の感染によって膀胱粘膜が炎症を起こす病気です。原因となる細菌で最も多いのは大腸菌で、原因菌の約8割を占めるといわれています。
膀胱炎は女性に多く見られますが、これは女性の体の構造が理由としてあげられます。女性の場合、細菌の多い肛門や膣が尿道口に近く、細菌が尿道口から入り込みやすいうえ、尿道が男性に比べて短いために、細菌が膀胱に達しやすくなっています。
ただ、男性はこのようなトラブルがないというわけではありません。男性の場合は、細菌は尿道にとどまって、尿道炎を起こしたり、場合によってはそこから前立腺炎を起こすこともあります。
膀胱炎の外来受療率(人口10万対)
厚生労働省「令和2年患者調査」より
膀胱と尿道

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2.膀胱炎の症状—つらい排尿痛・頻尿・残尿感など
膀胱炎の代表的な症状は次のようなものです。
①排尿時の痛み
排尿の際に、痛みが生じます。とくに、尿が出終わるときに焼け付くような強い痛みを感じるのが特徴です。

②頻尿
頻繁に尿意を感じるようになり、ひどい場合には、1日に10回〜20回以上トイレに行くケースもあります。しかし、トイレに行っても尿が出る量はほんのわずかです。

③残尿感
トイレに行って排尿してもスッキリせず、まだ排尿し足りない気がします。

炎症が進むと、尿に血が混じり、尿がピンク色や真っ赤になったり、ときには尿に膿が混じって白濁することもあります。


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3.膀胱炎の原因—性交渉や抵抗力の低下、排尿のがまんなど
膀胱炎になる原因は、前にも述べたように主に細菌が膀胱に入り、そのために炎症が起きるのですが、そのきっかけとしては、不衛生や性交渉などによって膣や肛門から尿道口に細菌が入りやすくなることが考えられます。
また、無理に排尿をがまんしていると、膀胱が尿でふくらんで、膀胱に流れる血液量が減って免疫力が低下し、膀胱炎を起こしやすくなります。
そのほか、ストレスや過労などで体全体の抵抗力が落ちることも原因の一つです。
■菌の感染を伴わない膀胱炎「間質性膀胱炎」
膀胱炎というと、原因は細菌感染であるとされていましたが、最近、菌の感染を伴わない膀胱炎があることがわかり、問題になっています。
膀胱の粘膜と筋肉の間にある間質とよばれる部分が炎症を起こし、膀胱の筋肉が萎縮していくもので、「間質性膀胱炎」とよばれています。女性に多い病気ですが、男性にも見られることがわかってきました。
アメリカでは以前から知られていたものですが、日本では存在が知られてから日が浅い病気です。検査をしても細菌が見つからないため、「心因性」と誤解されるケースも少なくありませんでした。
治りづらく、症状も重く、つらい病気です。

<症状>
人によって違いがありますが、細菌性の膀胱炎によく似ています。
  • 頻尿になる
  • 排尿したくなると、がまんできない切迫感を感じる
  • 膀胱に尿がたまると、痛みを感じる
そのほか、尿がスムーズに出なかったり、排尿時に痛みを感じる、血尿が出るといった症状が現れる場合もあります。

<原因>
アレルギー説や免疫学的な要因などが検討されていますが、はっきりとはわかっていません。

<治療法>
抗ヒスタミン薬などの薬物療法、膀胱に水を入れて膀胱を拡張させる「水圧拡張」などの治療、そのほかいろいろな治療法が試みられていますが、確実に効くといった治療法がないのが現状です。重くなると膀胱摘出術など外科的な治療が必要になることもあります。
なお、毎日の生活の改善で症状が軽くなることもあります。

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4.膀胱炎の治療—薬はしっかり最後まで飲むこと
膀胱炎が疑われるような場合には、泌尿器科にかかり、尿の検査を受けます。そこで、原因菌を特定し、抗菌薬が処方されます。
膀胱炎は抗菌薬が原因菌と合っていれば、通常治りやすい病気です。症状は3日程度で治まります。しかし、症状が治まったからといっても、菌が完全にいなくなったわけではありませんから、医師の指示どおり薬をきちんと飲むことが大切です。最終的には、確実に治ったかどうか、尿の再検査を受けて確認してから薬をやめることです。
また、治療中は細菌を流すために水分を多めにとって、排尿をうながしたり、規則正しい生活を心がけ、体をしっかり休めて免疫力を上げるようにしましょう。

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5.膀胱炎の予防
膀胱炎は、治りやすい病気ですが、再発しやすいという特徴があります。
また、これまで膀胱炎にかかったことがない人でも、特に、女性は膀胱炎の予防のために次のようなことを心がけましょう。

①水分を多めにとって排尿の回数を増やす
水分は多めにとるようにし、尿の量を増やせば、尿と一緒に細菌を排出しやすくなります。細菌の繁殖を防ぐため、排尿はあまりがまんしすぎないようにしましょう。
ただ、1日の尿量は1〜1.5L程度になるぐらいが理想的。いくら多めに水分をとるといっても、1日の尿量が3〜4Lになるまで水を飲むのは、腎臓に負担をかけますから、控えましょう。

②外陰部は清潔に
排便のあとは、陰部を前から後ろにふくように心がけて、肛門部の細菌を尿道口に近づけないようにします。生理のときには、ナプキンをこまめに替えること。下痢のときには、特に肛門部を清潔にしましょう。

③便秘を解消すること
便秘をすると、腸の中に便が長時間たまり、大腸菌が繁殖しやすくなります。それが肛門周囲から出てきやすくなりますから、食物繊維を多くとるなど、なるべく便秘をしないように心がけましょう。

④性交渉後はトイレに
性交渉では、その刺激で細菌が尿道口に入りやすくなるので、性交渉後はトイレに行って排尿し、細菌を流すように習慣づけましょう。性交渉前後にシャワーを浴びて外陰部を清潔に保つことも大切です。

⑤体や下腹部を冷やさない
体、特に下腹部を冷やすと細菌に対する抵抗力は弱くなるため、膀胱炎にかかりやすくなります。冬場はもちろん、夏場も下半身をできるだけ冷やさないようにしましょう。

⑥疲れやストレスをためない
疲れていたり、ストレスがたまると体全体の抵抗力が落ちてしまいます。規則正しい生活を心がけ、できるだけ疲れをためないようにしましょう。

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