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【元気な暮らし】「むずむず脚」ってどんな病気?

「夜、脚がむずむずして眠れない」「脚に虫が這っているような感じがして不快」——こうした感覚に苦しんでいる人が、全国に数百万人もいると推定されています。
これは、「むずむず脚症候群(RLS:Restless legs syndrome)」という病気です。不眠の原因にもなり、適切な治療が必要です。

まだまだ解明されていないことが多い
社会的認知度も低い病気

1.「むずむず脚」って何?
2.むずむず脚は何が原因?
3.むずむず脚の治療は?
4.むずむず脚の予防法は?

1.「むずむず脚」って何?
むずむず脚の症状の訴え方は人によってさまざまです。夜、布団に入るとふくらはぎの内側にむずむずした不快感があり、脚を動かさずにはいられなくなる。虫が這っているように感じる。足がほてっているように感じる。脚を切断してしまいたい感覚に襲われる。などなど。おもに脚に現れますが、手や腕、背中、おなかなどに生じることもあります。
こうした症状は、夕方から夜に起こることが多く、その不快感からじっとしていられなくなり、歩き回ったり、脚を動かしたりします。脚を動かしていると症状はやわらぎますが、動かすのをやめると、またその症状が現れます。そのため不眠などの睡眠障害を引き起こし、日中の生活にも影響を来します。
また、映画館や飛行機の中など、一定の間、狭い場所にじっとしていなければならない状況で現れることもあります。

こんなとき、むずむず脚が疑われる

○むずむずする。
○脚の表面より奥のほうがかゆい。
○痛がゆい。
○電流が流れているようでヒリヒリする。
○引きつる。
○虫が這っているよう。
○脚を動かしたい。
○熱い。ほてりを感じる。
○じっとしていられない。動き回りたくなる。


10代女性は特に注意

「むずむず脚症候群友の会」の調査によると、患者の25%は20歳未満で、そのうち約50%は10代女性です。身体の成長に伴い鉄分が特に不足しがちなこの年代の女性に対しては、食生活などで配慮が必要です。
むずむず脚の発症年齢

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2.むずむず脚は何が原因?
原因はハッキリとはわかっていませんが、鉄分の不足や、手足の運動機能を円滑にする神経伝達物質のドーパミンがうまく機能しなくなることが関係していると考えられています。鉄分が不足すると、脳内で分泌されるドーパミンの働きが低下し、情報が正しく伝えられなくなって、身体に異常を感じるというもの。 妊娠、腎不全、パーキンソン病、糖尿病、末梢神経障害などによる2次性の場合もあり、結果的にむずむず脚の患者の中には透析を行っている人や他の疾患を併せ持っている人も見られます。

むずむず脚の合併疾患

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3.むずむず脚の治療は?

何科を訪ねる?

この病気は、睡眠障害を引き起こす神経の病気であるため、睡眠障害の専門医にかかって正しい診断を行ってもらう必要があります。一般的には精神神経科を受診します。
診断には、国際的なむずむず脚症候群の研究グループが作成した4つの基準が使われます。

4つの診断基準
次の項目を満たしていれば、むずむず脚症候群と診断されます。
  ①脚を動かしたい欲求が脚の不快な感覚によって起こる。
  ②静かに横になったり安静にしていると起こる。
  ③運動によって改善される。
  ④日中より夕方や夜間に起こる。

また、脳波を測定する終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で、足首をピクピクと繰り返し周期的に動かす「周期性四肢運動」が確認されたり、家系内に発症履歴があることも重要な判断材料となります。

治療法は?

診断がつけば、治療は比較的簡単に行われます。

◆薬物療法
ドーパミン受容体作動薬や抗てんかん薬、鉄剤などが使用されます。特に、ドーパミン受容体作動薬の「ビ・シフロール」(プラミペキソール)で症状の改善が見られる患者が多いようです。薬で劇的に症状が改善し、ぐっすり眠れる喜びを味わえたという患者もいるそうです。また、現在、「ビ・シフロール」以外に3種類の薬の開発が進められ、国に承認申請中です。
なお、「ビ・シフロール」の副作用として、むかつきや吐き気、眠気を訴える人もあり、また腎臓に負担がかかるため、糖尿病など慢性腎不全の患者には注意が必要です。

◆生活改善
比較的軽い症状で、睡眠障害がひどくない患者には、まず薬に頼らない方法が勧められます。
どんな方法が自分にあっているか、どんなことを行えばよく眠れるか、いろいろな方法を試してみましょう。
よい睡眠をとるために+鉄分の補給

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4.むずむず脚の予防法は?
バランスの取れた食生活を心がけ、鉄分が不足しないように注意します。鉄分は、特にレバーや赤身の魚、ホウレン草、ヒジキなどに多く含まれています。
鉄分は動物性たんぱく質やビタミンCと同時に摂取すると、吸収が高まります。一方、緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは吸収を妨げますので、控えるようにしましょう。

鉄分を多く含む食品
レバー赤身の魚ほうれんそうひじき

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