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【生命保険を考える④】ライフスタイルに合わせて生命保険を見直す

「生命保険を見直したのはいつですか? その理由は何ですか?」
最近、生命保険の相談を受けたときに私が相談者に問いかける言葉です。
生命保険の見直しには、10人いれば10のきっかけや理由があり、見直しの内容も千差万別です。

ファイナンシャルプランナー 星野 諒

生命保険は公的保障を補うもの

生命保険はいったん契約したら、保険期間が終了するまで契約内容が変わらないものではありません。就職(転職)や結婚、出産などライフスタイルの変化に応じて、柔軟に考えることが大切です。
1.生命保険の見直しは必要か
かつては、<新入平社員→係長→課長→次長→部長・・・>という昇格(=昇給)が一つの見直し規準でした。とは言え、顧客側に「生命保険を見直す」という強い認識はそれほどなく、「契約しっ放し」、あるいは何かあれば「解約」という意識だったように思えます。
その後、ライフプランの主軸が「出世」から徐々に、「家族との関わり」に変わってきても、外交員が一方的に、「○○さん、お子さんが生まれたそうですね」などと働きかける傾向にありました。
最近では、景気の低迷や年金への不安などがあるなかで、生命保険に関して気軽に相談できる代理店等が増えてきていることもあり、顧客側も少し「生命保険を見直す」という意識を持ち始めているようです。

ライフスタイルの変化に伴う必要保障額は、いま、あらゆる社会情勢から影響を受けやすくなっています。現在と5年前の必要保障額は大きく違うはずです。そのような時代にあって、ライフプランを自分でコントロールするための一つの手段としても、「生命保険の見直し」は必要なのです。

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2. 生命保険を見直すタイミング
「ライフスタイルの変化」が一番大きな見直しのタイミングです。

出来事 見直しのポイント
◆就職 ○収入を得られるようになることで、親が肩代わりしていた保険料を自分で支払っていくために内容を見直す。
◆転職 ○増収(減収)にともない保険料をアップ(ダウン)し、保険金額を上げる(下げる)。
<大きな見直し その1>
◆結婚
○自身が病気や死亡など不測の事態に陥った場合の保障の対象を配偶者にする。
<大きな見直し その2>
◆出産
○子どもの将来を考慮し、保険金額を上げる。
○学資金を準備する
◆住宅購入 ○団体信用保険や火災保険等との保険料の調整を行う。
◆子どもの自立 ○夫婦2人だけになった分、必要保障額を下げる。
<大きな見直し その3>
◆退職
○勤務先の団体契約保険を離脱した分の保障をプラスする。
○収入が減少した分、保険料を下げる。
○老後への本格準備として保険金額を見直す。
病気、要介護 ○入院、医療費、介護費用、住宅改修費の可能性に備える。
○減収が見込まれる場合は保険料を下げる。

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3.生命保険を見直すことのメリット

生命保険を見直すことで、家庭経済の収支面にさまざまなメリットが期待できます。

家計への負担減

保険料を下げた場合、その最大のメリットは「家計への負担減」です。
生命保険料の月々の違いはわずかでも、総支払額を計算すると、生涯のなかで大きな支出となります。

老後の生活の充実

これからも長く続く老後の生活において、経済的な不安を減少する一つの指針となります。

節税効果

生命保険など*1に加入している人には、所得税や住民税の年末調整のときに、支払った保険料の年額に対して、「生命保険料控除」が施されます。
生命保険の見直しのときには、この「生命保険料控除」にも配慮すると節税効果が期待できます。
*1 生命保険料控除が適用になるのは、所得税・住民税ともに一般の生命保険・介護医療保険・個人年金保険です。


■生命保険料控除(平成24年1月1日以降に契約した保険の場合)
年間の支払保険料 控除額
2万円以下 支払保険料の全額
2万円超 4万円以下 支払保険料×1/2+1万円
4万円超 8万円以下 支払保険料×1/4+2万円
8万円超 一律4万円

(見直し例) 年間保険料を12万円から9万円に削減。
年間保険料120,000円⇒控除額40,000円
年間保険料 90,000円⇒控除額40,000円
⇒保険料を下げても、年間保険料が8万円超の場合は一律40,000円。

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4.生命保険の見直し事例
■事例1 保障内容は変えずに保険料を抑えたい
Aさん(40歳)。来年から子どもが小学校に通うことに。
更新型定期保険特約のある終身保険(10年更新型)に加入中。

⇒これから子どもの学費が増える一方なので、保障内容はそのままで保険料を増やさない方向で見直したい。
≪見直し例 その1≫ 更新型⇒60歳までの全期型に変更

定期保険特約が「更新型」の場合、更新時の年齢や保険料率などで保険料が再計算されます。そのため、通常、保険料は従来よりも高くなります。そこで、更新の無い「全期型」に変更することで支払期間中の保険料の変更はありません。

≪見直し例 その2≫ 更新型⇒逓減定期型に変更

定期保険特約を「逓減型」に変更にすれば、変更時の保険金額は同じで(一定期間ごとに保険金額は減ります)、段階的に保険料は下がりますので、結果的に定期型よりも保険料は安くなります。

≪見直し例 その3≫ 更新型⇒遺族年金型に変更

定期保険部分を末子が自立する年齢まで、または妻が年金を受け取れる年齢までといった遺族年金型に変更します。保険料の更新はありません。

※保険料は、定期型>更新型>逓減型>遺族年金型の順になっています。

■事例2 保険金額を下げて特約や保険料の支払を抑えたい
Bさん(58歳)。この春、末子が大学を卒業。
がんや介護など幾つかの特約と合わせて終身保険に加入中。

⇒子どもの自立により必要保障額が減るため保険金額を見直すとともに、定年後の減収も考慮して支出を抑えたい。

≪見直し例 その1≫ 保険金額を下げる

公的年金なども考慮に入れたうえで、万一の場合の必要保障額を再計算して、保険金額を変更します。保険金額が下がれば保険料も下がります。

≪見直し例 その2≫ 優先順位の低い特約を解約

いま付いているさまざまな特約に優先順位をつけてみます。その中で順位の低いものは解約すれば保険料が下がります。

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次回は、生命保険の諸手続きについてみていきます。

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